渡邉が2ラン含む2安打4打点と大暴れ
ソフトバンクの2軍は29日、みずほPayPayドームで行われたウエスタン・くふうハヤテ戦に9-0で快勝した。先発した前田悠伍投手は4回を無失点に抑え、41回2/3連続無失点の同リーグ新記録を樹立した。打線では渡邉陸捕手が左中間テラス席への2ランを含む2安打4打点の大暴れ。イヒネ・イツア内野手も2打数2安打3打点と活躍した。試合後に取材対応した松山秀明2軍監督のコメント全文は以下の通り。
――投手陣が無失点リレー。
「悠伍は真っすぐ自体も力があったし、変化球で抑えるところは抑えられるし。いい感じでしたね」
――1軍で初勝利を挙げて以来の登板。変化や成長は感じた?
「いつも通りというか、彼の場合は特にピッチングスタイルが変わるわけでもなく。困った時に最後はいいところに変化球を落とせるし、真っすぐで攻めるところは攻めていって。メリハリはあったとは思いますし、逆に言えばもうちょっと冷や汗をかいてもよかったのになっていう感じはしますけどね。あまり大した汗をかいていなかったので。ちょっと物足りない感じで終わりましたけど」
――ドームが涼しかったのもあった?
「それもあるでしょうね。こんな涼しい中で選手は最近やったことがないので。ピッチャーにしたら最高のコンディションですよね」
――40イニング以上点を取られていない。
「やっぱりきょうもそうですけど、ピンチの時でも最後にいいところへボールを投げられるというか、最後のところで投げミスが少ないですよね。だからピンチはありますけど、そこで簡単に得点されないのは、ランナーをサードにおいてしっかり空振り三振を取れるとか。やっぱり、そういうところがしっかりしているので。ほぼミスがないですよね。だから得点されてないと思うんですけどね」
――高卒2年目であれだけの完成度を誇る投手も珍しい?
「いやいや、それを言えば(松坂)大輔とか。涌井(秀章)やダル(ダルビッシュ有)もそうだし。そのクラスがいるので。それを見てきているので。大輔の1年目、僕らも開幕戦から見てきたピッチャーですし。そのあとのダルもそうですし。そういうピッチャーが目の前にいたので。そこと比べたら申し訳ないかな、みたいな。最近の高校生の中では、やっぱり立派ですよね。最近の高校生から入ってきたピッチャーの中では、悠伍は順調に。ただ、順調にいくと本当にこの世界は難しいので。意外と簡単そうで難しいんですよ。彼の場合は順調に、本当に下がることなく日々成長していってる部分は感じますけどね」
右手骨折から復帰の川村が2軍合流「上出来でしたね」
――球数は予定通り?
「そうですね。ちょっと足らなかったので、(降板後に)ブルペンでも投げていましたけど。本人がちょっと物足りなかったっていうか、涼しかったので」
――宮里優吾投手がイニング途中から登板した。
「彼のこれからの課題として、やっぱり(イニングを)またいで、球数も投げてと。きょうも20球くらいで終わって(18球)。20球を超えさせたかったんですけどね。この前(の登板)もそうですけど、大体17、18球くらいからボールの精度が良くなくなるので。それが彼の課題でもあって、きょうも(20球)いくかと思ったけど、終わっちゃったので。課題のところまで超えなかったですね、なかなか」
――ランナーが残った場面での登板だった。
「逆にいいシチュエーションで彼もいって、あそこでしっかり三振も取れて。(1死)一、三塁で得点されずに帰ってこられるっていうのは、彼の魅力でもありますから。三振を取れるので。いいアピールはできたと思いますね」
――右手有鉤骨の骨折から実戦復帰した川村友斗選手は、きょうから2軍に合流。
「きょうから一応合流です。(予定が)7イニングくらいということだったので。ヒットも出たし、上出来でしたね」
――渡邉選手には逆方向への一発が出た。
「久しぶりにああいう当たりを打ってくれて。最初のポテンヒット(エンタイトル二塁打)でちょっと気が楽になったんじゃないですか」
高卒ルーキー石見を称賛「本当に立派ですね」
――笹川吉康選手は苦しんでいる?
「苦しんではいないです。状態自体はいいですよ。ただ、きょうみたいにいいバッティングをした時に、(打球を)捕られましたけどね。内容的には悪くないので、それを悪いと捉えるのか、悪くないと捉えるのかって野球人にとってはね。自分で調子を上げるか落とすかっていうのも大事になってくるので。これを(調子が)悪いって言っちゃうと、多分悪くなります。でも、内容的には悪くないんですよ。ただヒットになってないだけで。だから、そういう捉え方をした方がいいと。ちょうど、そういう話を(試合後の)ミーティングでしてきたんですけど。内容的には良かったので、その形を続けた方がいいですよね。ヒットが出なかったから悪いんじゃなくて、自分のやろうとしているスイングを続けた方が、やっぱり1軍に近づくので。ヒットが出たから1軍にいけるわけじゃないので」
――イヒネ選手は守備で声掛けする場面が目立った。
「そうですね。最近のイヒネのプレーは落ち着いてきたというか、野球のスタイルがちょっと慎重に、なんか重みが出てきましたね。守備でも慎重に送球するようにもなってきたし、それは感じますよね。ただ、それくらい野球って丁寧に、慎重にやらないと。これからもこういう気持ちで続けていけば、ベンチから見ていても安心感は出てくると思いますね」
――いつから変化を感じ始めた?
「正直、ここ2、3週間ですけどね。僕が1回マウンドに行って、きつく注意しているので。そのあたりからやっぱりプレーの重みであったり、丁寧にやらなくちゃいけないという自覚が出てきてくれたようには見えますよね。プレーを見ていると、早急にしても丁寧に、狙ってしっかり投げているのはベンチで見ていても感じるので。ただ、あれが普通なので。それが普通になってほしいですし、これで彼も何かいいものが芽生えてくるかもしれないので」
――石見颯真選手はボール球をほとんど振らない。
「本当に立派なものですね。打つべきボールをしっかりと見極めて、なんでもかんでも振るわけじゃなく。ああいうところは高校生から入ってきて、立派なものですよね」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)