歓喜の輪の外で2人だけのハイタッチ 誕生日に渾身の“GOサイン”…「今日は飲んじゃう」

  • 記者:飯田航平
    2025.07.03
  • 1軍
頭からホームに突っ込んだ緒方理貢【写真:古川剛伊】
頭からホームに突っ込んだ緒方理貢【写真:古川剛伊】

「アウトなら反省する」…責任を背負う三塁コーチの覚悟

 誰よりも喜びを爆発させていたのは、選手ではなかった。2日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)で劇的なサヨナラ勝ちを収め、3連勝を飾ったホークス。歓喜に沸く選手たちの輪から少し離れた場所で、まるで我がことのように飛び跳ねながらハイタッチを交わす2人のコーチがいた。三塁ベースコーチを務める大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチと、一塁ベースコーチの本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチだ。

 グラウンドの主役たちとは別の場所で分かち合った喜びには、ランナーコーチという仕事の矜持と絆が詰まっていた。「嬉しかったですよ。もう嬉しくて真っ先に行っちゃいましたもん」。試合後、興奮気味に語った本多コーチ。1点を追う9回無死一、三塁。山川穂高内野手が放った左翼フェンス直撃の打球で一塁走者の緒方理貢外野手が激走し、頭からホームへと突っ込んだ。

 一度はアウトと判定されたが、緒方がすぐさまリプレー検証をベンチへ要求。本多コーチは「セーフになってくれと願うばかりでした」と祈っていた。その願いが届いた瞬間、たまらず大西コーチのもとへ駆け寄った。なぜ、そこまで感情が昂ったのか。そこには劇的勝利の価値以上に込み上げるものがあったからだった。

「やったことある人しか分からん嬉しさ」

激走する緒方理貢【写真:古川剛伊】
激走する緒方理貢【写真:古川剛伊】

「見た時にはもう回していた」

(飯田航平 / Kohei Iida)