指揮官は「あしたも使わない」も…藤井皓哉が語った現状 負傷直後、首脳陣が交わした言葉

ロッテ戦に登板した藤井皓哉【写真:小林靖】
ロッテ戦に登板した藤井皓哉【写真:小林靖】

27日に打球直撃→28日にベンチ外

 打球直撃から一夜が明けると、ベンチ入りメンバー26人の中に藤井皓哉投手の名前はなかった。28日にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦。グラウンドに姿を見せたものの、背番号48の欠場は試合前から決まっていた。

 前日27日の同カード初戦、藤井は8回に登板。先頭・寺地の鋭い打球が、利き腕の右上腕付近に直撃した。投球練習を経て続投したが、制球が定まらず1回2失点。15試合ぶりの失点となり、本来の投球内容とは程遠かった。

 小久保裕紀監督は0-5で敗れた28日の試合後に「あしたも使わないです。まともに当たっているからね」と説明した。一方で藤井は、プレーボールがコールされた傍ら、コンディショニング担当とともに室内練習場で調整を行っていた。本人と首脳陣が語った現状。そして負傷時のやりとりとはどのようなものだったのか――。

「大丈夫です。全く問題ないです」。万全を強調したのは藤井本人だ。試合中の室内練習場では、患部を確認しながら体を動かした。「普通にできているので、大丈夫かと思います」。球場を後にする際も、球団スタッフと笑顔で会話を交わしていた。

 倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)はベンチ外の理由について「大事を取って、という感じです」と、症状は打撲のみであると説明。「特に大きな問題ではないです。(打球が当たったのは)骨ではなかったし、きょうもキャッチボールをしっかりしていたので」と、あくまでも軽傷であることを明かした。

打球直撃後に倉野コーチと交わした会話

 打球が直撃しても、右腕はマウンド上で表情を変えなかった。すぐにタイムを取って駆け寄ったが、「本人も『いける』と。投げてみて大丈夫そうでしたので」と倉野コーチは振り返る。心配そうな首脳陣、スタッフを藤井は制し、続投を選択した。

 ここまで27試合に登板し、2勝1敗8ホールド1セーブ、防御率1.35。交流戦も8戦無失点と、6月に入ってからも抜群の安定感を誇ってきた。守護神のロベルト・オスナ投手が2軍調整となると、15日のDeNA戦(みずほPayPayドーム)では今季初セーブを記録。杉山一樹投手とともに“日替わり”のクローザーも請け負ってきた。

 絶対的な存在感を示してきただけに、長期離脱は避けたいところ。倉野コーチも「あした(29日)の状態を見てから」と話すように首脳陣は慎重な姿勢を崩さなかった。ただ、本人の様子には不安を感じさせるところはなかった。チームは30日を挟んで首位・日本ハムと3連戦。右腕の力が必要になる時は、そう遠くないはずだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)