中村晃は「へばっているけど…」 選手たちの“運”を表現、小久保監督は山川の昇格を明言

交流戦の優勝監督インタビューに応じる小久保裕紀監督【写真:栗木一考】
交流戦の優勝監督インタビューに応じる小久保裕紀監督【写真:栗木一考】

松本晴は5回1失点…ベンチの指示は「飛ばしていけ」

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

 ソフトバンクは22日、阪神戦(甲子園)に3-1で勝利した。先発の松本晴投手は5回1失点で2勝目をマーク。その後は5投手を繋いで、相手打線を封じた。打線は4回にジーター・ダウンズ内野手が2点適時打を放ち先制。8回には中村晃外野手の適時三塁打でダメ押しした。交流戦を12勝5敗1分けという成績で終えて、2019年以来、9度目の優勝を飾った。試合後、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

――4回は、敵失からチャンスを作って先制した。
「鉄壁の中野くんのエラーからね。ラッキーな先制点でした」

――松本晴投手も試合を作った。
「『飛ばしていけ』と倉野(信次)コーチから指示があった。もうヘロヘロでしたけど、あの回ね。5回にスコアリングポジションまでいっていたら、向こうも代打だったと思うけど、ランナーが一塁でピッチャーの打順で終わった。あいつの運だと思う。津森(宥紀投手陣の)は用意していたんですけどね」

――7回は松本裕樹投手がピンチを作りながらも無失点。
「あれより大山(凌投手)じゃないですか。アクシデント(津森投手が6回1死で頭部死球を与えて危険球退場)の後で、中野くんは心配ですけど……。ゼロで抑えてくれたのは大きかったです。7回から9回までの投手は安定している。(7回に)連打された時はどうなるかと思ったけど、腹を括っていってくれた」

――松本晴投手に「飛ばしていけ」と指示できるのも、中継ぎへの信頼。
「晴は中継ぎをやっていたし、その姿が良かった。出力という良さを消してはいけないし、初回に失点することが多かったので。中継ぎのつもりでいけ、と。これから経験を積んでペースもわかってくるんじゃないですか」

交流戦は7つの貯金…「ピッチャーでしょう」

――投手陣の踏ん張りが目立つ。
「この3試合も5得点で2勝でしょ? ピッチャーじゃないですか」

――それは交流戦を通しても言えること。
「もちろん。7回、8回までも投げてくれたし、完投した試合もあった。先発がゲームを作ってくれたから優位にいけたんだと思う」

(監督自ら)

「(中村)晃(外野手)も使いまくっていたので。誰が見てもへばっているんですけど、貴重なタイムリーを打ってくれた。(交流戦明けは4日間、試合がなく)充電期間があるので、そういうところでも、みんな運がありますね」

――主力選手がいない状況だからこそ4番を託している。首脳陣としても最敬礼する一打だったのでは。
「代打としてスタートしてね、どこまで負担をかけるんだという中で。(近藤健介外野手が復帰して)離脱はないかなと思っていたら左かかとに痛みが出たので。彼もね、代打でいけそうだったんですけど。ロッテ戦からスタメンでいこうと。また近藤が4番になるとは思いますけど、山川(穂高内野手)も戻ってくるので。考えていきます」

交流戦優勝で賞金も…明かした使い道は?

――近藤選手はロッテ戦からスタメン復帰をする予定。
「そこを目指そうという話はきのうしました」

――首位とのゲーム差を少しずつ詰めていきたい。
「(日本)ハムが負けないから勝ち続けるしかないね」

――交流戦優勝で賞金3000万円も。
「スタッフの数が多いので微々たるものかもしれませんが、臨時収入として渡せたのはよかったです」

――改めて今後の戦い。
「レギュラーシーズンもそうですけど初戦を取って、カード勝ち越し。それだけを考えていきます。続けていけたら勝負できるところまでいけると思うので」

――7回、阪神はセーフティスクイズをかけてきた。内野陣は強めのチャージをかけて防ごうとしていた。
「あんまり言いたくないんですけどね。パ・リーグ相手にはあまりしないのですが、セ・リーグなので。セーフティスクイズと思ったら、その準備はしていました」

(竹村岳 / Gaku Takemura)