首脳陣は東浜巨をどう起用する? 1か月ぶりの登録…浮上した新プランの可能性

東浜巨【写真:栗木一考】
東浜巨【写真:栗木一考】

18日に出場選手登録→広島戦で即ベンチ入り

 20日に35歳を迎えるチーム最年長右腕が、およそ1か月ぶりに1軍へ戻ってきた。チーム事情もあり、2軍で先発調整を続けてきた東浜巨投手。残り4試合となった交流戦、そして27日から再開するリーグ戦で首脳陣はどのような起用法を描いているのか。

 今シーズンは1軍で3試合に登板して1勝2敗、防御率3.77の成績を残している右腕。一方で、2軍戦では格の違いを見せつけている。ここまで5試合の登板で3勝1敗、33回2/3を投げて4失点(自責3)の防御率0.80と圧倒的なパフォーマンスを披露している。

 出場選手登録された18日の広島戦(マツダスタジアム)ではベンチ入りし、2番手以降で登板の可能性もあった。試合後、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)に今後のプランについて聞いた。

 19日の広島戦、20日からの阪神3連戦の先発は大関友久投手、リバン・モイネロ投手、上沢直之投手、松本晴投手がそれぞれ見込まれている。“先発7番手”として調整してきた東浜には、先発投手が崩れたり、アクシデントがあったりした際の「第2先発」としての役割が与えられる可能性が高い。

マツダスタジアムで練習を行う【写真:栗木一考】
マツダスタジアムで練習を行う【写真:栗木一考】

東浜は泰然自若「変わらず準備していく」

「その可能性もあります。絶対にそうするかまでは決めていないですけど。ベンチには入れているので。色々な使い方は考えています」。倉野投手コーチは含みを持たせながら、起用法を説明した。

 18日の試合は先発の前田純投手が5回無死一、二塁で降板し、2番手で大山凌投手がマウンドに上がった。2点差に迫られた6回には尾形崇斗投手が登板。結果的に東浜がこの日に投げることはなかった。「(5回は)いきなりランナーを背負った状況では、なかなか難しいので。その後(の投手起用)は試合展開的に決めました」と倉野投手コーチは言及した。

 2017年には最多勝のタイトルを獲得するなど輝かしいキャリアを持つ右腕に、首脳陣も期待する部分は大きい。「チームとして必要とするところで投げてもらう。シンプルにそれだけかなと。(東浜の)メンタル的なフォローは常にやっていますし。とにかくチームが勝つための必要な戦力としてきてもらっているので」。倉野投手コーチの言葉にも力がこもる。

 いつ出番が来るか難しい状況なのは間違いないが、東浜自身も覚悟は決めている。「起用法については言われています。先発と変わらず準備していく感じです」。13年のキャリアで積み重ねた176試合の登板のうち、先発が実に170試合という右腕。ほぼ経験のない“職場”でも、持ち前の力を発揮してくれるはずだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)