前田悠伍、1軍昇格の条件は? 倉野コーチが明かした現在地…「先発の有力候補の1人」

前田悠伍【写真:竹村岳】
前田悠伍【写真:竹村岳】

東浜は10日の2軍戦で登板予定

 ソフトバンクは9日、みずほPayPayドームで先発投手陣の練習を行った。練習には、有原航平投手、リバン・モイネロ投手、大関友久投手、前田純投手、東浜巨投手、松本晴投手の6人が参加。それぞれの調整で汗を流した。交流戦6試合を終え、今後の投手起用はどうなるのか――。また、2軍で無失点投球を続ける前田悠伍投手についても、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が言及した。主なコメントは以下の通り。

――交流戦の入りとしてはどう評価している?
「見ての通りかな。良かったと思うし、それぞれが役割を果たしてくれたと思うので。良かったと思います」

――松本晴投手は中継ぎの時と比べてどう違う?
「晴の良さが全部出ていないんじゃないかなとは思いますけどね。最初の先発の時はそのまま行ってくれたんですけど。その後の2回は、ちょっと晴の本来の良さがあまり出ていないんじゃないかと思います」

――今後登板を重ねて修正していく?
「次回登板に向けて、しっかり。どういう風に修正していくかは話し合っていきたいと思っています」

――良さが消えてしまってる部分とは?
「色々ありますけど、ここで具体的には言わないです」

――東浜巨投手の次回登板は?
「あした(10日)、ファームで投げます」

――引き続きバックアップではないが、1軍で何かあった時に起用する?
「一応そのポジションにはいます」

――前田悠伍投手の1軍起用は?
「有力候補であることは間違いないです。ただ、前回の投球はあまり良くなかった。悠伍に関しては、中途半端な状態で1軍で使うというよりは、しっかりいい状態の時に、こっち(1軍)との兼ね合いですけど、その時にはまればいいなと思ってるので。いずれにしても、比較にはなるんですけど、悠伍に関しては、次上がってきた時は、もうずっと(ローテーションを)回れるぐらいのものは求めたいなと思っているので。あまり中途半端な状態では考えてないです」

――ファームでは通用するが、1軍ではというところか?
「そうですね。それはありますけど、ただ少なくとも去年よりはレベルは確実に上がっていると思うので。すごく楽しみにはしてます。言えることは、先発の有力候補の1人であることは間違いないです」

完投数に対する考え「できるに越したことはないけど…」

――上沢投手が先日チーム初完投。投手陣の完投数はどう考えている?
「気にしていないです」

――先発投手が8回まで投げる試合が増えている。8回から9回というところで、判断基準があると思うが、どこを重視している?
「基本的に完投できるに越したことはないんですけど。別に完投しなくても、チームが勝つことが目的なので。先々のことも考えながら、シーズンを通してトータルでどうやって勝っていくかっていうことを考えているので。例えば130〜140球投げて完投したはいいけど、次の週に疲労が残ってボロボロだ、というのも困るし。完投できる時はするんですけど、別に完投させたくないからこうなっているわけでもないし、チームが勝つため、プラス先々を見据えて考えての結果だと思うので。でもやっぱり球数はもう少し、少なくしないとなかなか完投には繋がらないと思います」

「日本ハムが11完投してるからといって、みんな150球で完投しているわけではない。伊藤大海が130球ほど投げたときが1回あったかもしれないですけど、大体120球前後で収まってると思うんで。そこまでいく過程があるんですよね。あまり完投、完投っていう風には思わないですね。するに越したことはないんですよ。『完投させない』って言っているわけじゃないんですけど、別にこだわりはないですね。する時はするだろうし。何回も言うようですけど、チームの勝利と先々のことを考えての判断になるのかなと思います」

――ピッチャーによるとは思うが、球数のデッドラインは?
「今までずっと見ていると、大体120球ぐらいが目安かなとは思います。中6日ですので、100球じゃちょっと少ないな、と思うんですよね。でも、80球でも代わる時もありますし。目の前の試合をどう戦っていくのかというプランニングなので。そこは監督と一緒に話しながらやっています。いろんな要素があるので、あまり完投は意識していないです」

――武田翔太投手の実戦復帰登板をどうに見た?
「健康に投げられて良かったなっていうだけです」

――今後のステップは?
「そんなに急に結果を求めずに。まずは健康に投げていくことが大事ですね」

倉野コーチが語る前田純の魅力とは?

――倉野コーチから見た、前田純投手の直球の魅力は?
「色々要素ってあるんですよ。実はホップ成分だけじゃないんですよ。ホップ成分で言うと、尾形と前純が、うちのチームではトップクラス。でも、空振りを取る取らないって、いろんな要素があるんで。球のアングルとか、角度とかね。腕の角度とか、いろんな要素があって。こういうピッチャーは空振りが多くなるんだろうなみたいなのは、ある程度僕らの中で指標はあります。ただ単にホップ成分だけではない。もちろん重要な要素ではあるんですけど。でも他の球種との兼ね合いもあるし。1つじゃないんですよね」

――空振り率でいうと、モイネロ投手が多くの三振を奪っている。
「悪くはないんですけど、このチームのトップクラスではないです」

――それでもモイネロが空振りを取れるのは? いろんな球種のコンビネーションとかも要因?
「もちろん。スピードもあるし、フォームもあるし。要素は1個じゃないんで。例えば、回転数ってみんな簡単に言うじゃないですか。回転数ってモイネロはそんなに多くないですよ。もっと分かりやすい話で言うと、和田毅いたじゃないですか。球速以上に、すごく球が速く見えるって言うじゃないですか。でも回転数って低い方なんですよ。ランクで言うとかなり低い方なんです。それでも球が速く見えるっていうことは、回転数ってそこまで影響してないんじゃないかなとは思いますけどね」

――先日投手陣に気迫を求めていたこともあった。ここまでのマウンド姿はどうか?
「別に気迫がないって言ってたわけじゃなくて。こういう状況で、ああだこうだ考えてもしょうがないから、もっと気持ちを前面に出して、『気持ちでまずは勝とうよ』みたいな話をしたことはあります。今は見ても頼もしく見えていますので、そこに関しての注文は全くないです。みんな本来の力を出し始めているのかなと思います。まだまだ細かいところは、もちろん詰めていかなきゃいけないし、求めていくところではありますけど」

――各球団、育成選手が支配下に上がってきている時期。候補になる投手は?
「何人かいますよ。ただ名前は出せないです。あと3つ枠があるんでね。誰かはなってるんじゃないですか」

――投手が何人か入ってくる?
「僕が決めるわけじゃないですけどね。間違いなく誰かはなるんじゃないですか。としか言えないし、僕も分からない。僕の立場としては、それは上げてほしいとは思っていますけど」

――それぐらい推したい選手もいる?
「もちろんです」

(飯田航平 / Kohei Iida)