不調の中で「投げやりにならない」 栗原陵矢に見える変化…小久保監督が語る成長とは

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

3号2ランを放った栗原陵矢【写真:古川剛伊】
3号2ランを放った栗原陵矢【写真:古川剛伊】

前田純は8回無失点…目に見えた「ホップ成分の多さ」

 ソフトバンクは4日、中日戦(みずほPayPayドーム)に8-2で勝利した。先発した前田純投手が自己最長の8回を投げ切って無失点と好投し、2勝目を挙げた。打線は3本塁打を含む11安打をマーク。栗原陵矢内野手に3号2ラン、野村勇内野手に5号2ラン、佐藤直樹外野手に1号2ランが生まれた。試合後、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

――交流戦を連勝スタート。試合を振り返って。
「前田純がしっかりとね。中12日だったと思うんですけど、渡邉陸とも打ち合わせをしながら抑えてくれてよかったです」

――内容に関しては。
「いつもよりホップ成分が多かったのかな。全然ボール球でもみんな反応して振っていた。それが特徴ではあるんですけど。交代を伝えに行ったらグータッチさせてくれなかった。あそこまでですね」

――栗原選手が先制2ラン。
「悪い時でも投げやりにならずに四球を取りにいくような姿勢とかも含め、そこは上がってくる兆しになると思います。状態が悪いから『いってしまえ』では、なかなか浮上のきっかけは掴めない。こういう試合でも4打席目に四球を取ったりというところを見てきているので。きょうのも甘い球ではなかったけど、インコースをしっかりと仕留めた。何回も言いますけど、彼がやってくれないとね。続けてほしいです」

――前田純投手と三浦瑞樹投手の投げ合い。2軍監督時代にも見ていた2人だが、感じるところは。
「ともにファームでやっていた選手たちなので。それが1軍の舞台でこうなるのかという思いで見ていましたけど、われわれもそんな悠長なことは言っていられないので。パ・リーグの上位に向けて貯金をしていかないといけないです。まあ、(三浦の)真っすぐの出力は僕が見ていた時よりは上がっているなという印象を受けました」

――3連勝に向けて。
「あしたが一番大事。ビッグルーキー(中日ドラフト1位の金丸夢斗投手)がきますので、しっかり準備したいです」

野村勇は逆方向への本塁打「現役の時も打てない」

――前田純投手は手を出してこなかった、と。
「そうそう。なかなか手を出さんかったね。でもそういう気持ちがないとね。この世界は」

――野村選手は逆方向への一発。
「あんなん、自分が現役の時も打てない。でもその後のセンター前、ライト前がよかったですね。強引にならずに」

――栗原選手は、苦しむ中でも丁寧に打席に立っている。
「いつも人一倍、練習から声を出しているし、準備している姿を見ている。投げやりになるような、そういう姿はないですね」

――栗原選手は昨シーズンも苦しんでいた時期があったが、今年と比較すると。
「去年より今年の方が1段階上がっていると思います。去年くらいはできる(という期待がある中で)、もう1つ上にいくための苦しみですね」

――投げやりにならない姿は、首脳陣としても信じたくなるのでは。
「そこは大事なところ。僕だけじゃないですし、そういうところを(首脳陣は)見ています」

――9回、2失点を喫した岩井俊介投手を交代させた。5日の3戦目に向けて、相手に勢いを与えたくなかった。
「あとは大江(竜聖)の使いどころです。点が入って左(打者)がきたらいくと決めていました」

――近藤健介選手は右翼守備で好プレー。自打球などの影響は?
「大丈夫。しっかりケアをしてくれているし、自打球の影響はないですね。3週間6連戦が続くので、神宮はどうしても守らないといけない。今からオーダーを考えます」

(竹村岳 / Gaku Takemura)