新妻の誕生日…勝連大稀のロマンチックなプロポーズ 射止めた“十八番”、伝えた言葉

勝連大稀【写真:飯田航平】
勝連大稀【写真:飯田航平】

妻の地元でプロポーズ

 生涯の伴侶とともに支配下を勝ち取る。ホークスの育成6年目、勝連大稀内野手が結婚を報告した。お相手は4歳年上の一般女性。ひな祭りの3月3日に入籍した。「一緒にいてもずっと笑っている。ワイワイした感じです」と、幸せいっぱいの表情で語った。

「あんまり長くは付き合ってなかったんですけど、すぐ同棲したんで」。一緒に暮らし始めて感じたきっかけは、居心地の良さだった。「4つ上なんですけど、食事面をはじめ私生活で助けてもらっています。自分があまりしっかりしてないというか……。色々とやってくれるので本当に気を遣わないですし、野球に集中させてくれます。すばらしい女性です」

 交際期間は約1年。飾らない言葉で存在の大きさを表現した。そのサポートは野球にも直結している。育成6年目という状況において、何よりも心強い存在だ。

 プロポーズは、誕生日にロマンチックな形で実行した。「自分の言葉で言ったら喋れなくなると思ったので、手紙を書いたんですよ」。相手の故郷である長崎のホテルを予約し、部屋の飾り付けなども手配した。

「誕生日パーティーをするからということで長崎に泊まりに行って、その手紙を目の前で読んだんです。最初は誕生日おめでとうみたいな感じでしたけど、最後に『一緒に幸せになりましょう』と伝えました」

 照れながらも一生の思い出を明かした。入籍日を3月3日に決めたのには、勝連ならではの理由があった。「ひな祭りっていうこともありますし、自分はちょっと覚えるのが苦手で、ひな祭りだと絶対忘れないんで(笑)」。その日が偶然にも大安だったことも後押しした。春季キャンプが終わった翌日というタイミングで、新たな人生のスタートを切った。

入籍が3月3日になったまさかの理由…

 2人の距離を縮めた思い出のひとつがカラオケだ。「会って間もない時って、カラオケとか行きづらいとかあるじゃないですか。でもそれが全然なくて、2人とも一緒に歌っていたので、そこがよかったかなと思います」。勝連の十八番はT-BOLANの“離したくはない”だ。「この歌で落とせたんじゃないかと思っています」と冗談めかすほど、楽しい時間を共有してきた。

 高卒でプロ入りし、今年で6年目。まさに背水の陣で臨むシーズンとなる。「(球団は)6年も残してくださっているので。感謝していますし、結果で応えるためにも成長した姿を見せていきたい」。結婚を機に、その覚悟は一層強くなった。

「奥さんにも言いましたけど、野球はずっと続けたいです。『この先がどうなるかはわからないけど、頑張るから』と。1日1日を大事にして、それがどんな結果になろうとも」

背水の覚悟…「野球はずっと続けたい」

 かつて今宮健太内野手からかけられた言葉が最近になって胸に沁みる。「とにかく頑張っとけ。どういう結果になっても誰かが見てくれているから。後先考えずに支配下を目指せ」。1人の人生ではなくなったことで、その意味の重さを実感しているという。

 守るべき存在ができたことで、新たな力が湧き上がる。「奥さんを幸せにするためにも頑張らないといけない」。愛妻は観戦に訪れることもある中で、家に帰ると労いの言葉をかけてくれる。「『きょう打ったね、守備よかったね』って褒めてくれるんです。だからあしたも打たなきゃいけないという気持ちが強くなります」。愛する人の声援を力に変え、支配下登録、そして1軍の舞台での活躍を目指す。

勝連大稀【写真:飯田航平】
勝連大稀【写真:飯田航平】

(飯田航平 / Kohei Iida)