川口冬弥を絶賛「大収穫」板東も高評価 2軍投手の最新情報…首脳陣が語る“明暗”

津森宥紀、川口冬弥、又吉克樹【写真:竹村岳、冨田成美】
津森宥紀、川口冬弥、又吉克樹【写真:竹村岳、冨田成美】

広島、阪神との2軍戦…又吉らが先発登板した

 ソフトバンクの2軍は15日、ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で全体練習を行った。小笠原孝2軍投手コーチ(チーフ)が取材に応じ、先週の投手陣について振り返った。5日からウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)、9日から同・阪神戦(日鉄鋼板SGLスタジアム)を戦い、板東湧梧投手、又吉克樹投手、伊藤優輔投手らが登板。首脳陣が語った評価とは?

――10日、11日の阪神戦(日鉄鋼板SGLスタジアム)では又吉克樹投手が5回6失点、伊藤優輔投手が1回5失点だった。先発した2人について。
「又吉に関しては右バッターの外、左バッターのインサイドへのコース。その精度(に課題)があったので、また高めていきましょうと次の登板に向けてやっています」

「伊藤は課題を克服するために追い込んでからのフォークに取り組んでいます。立ち上がりから少しそればかりになってしまって、カウントを悪くした。フォークを多投して四球、そこからゾーンにいって打たれてしまっていました。でも、結果的には1回では代わりましたけど、このチームのトライというところ。(課題に対する)トライは続けてもらいたいですし、場面や状況を考えてやっていこうという部分です。ボール自体はいいところがあったので、少しもったいなかったですね」

――伊藤投手は巨人から人的補償で移籍。本格的に先発に挑戦している中で、ウエスタン・リーグでは防御率5.10。試行錯誤はしていると思うが、コーチとしては、どう捉えている?
「徐々に球種の精度は上がってきている。あとは細かいところ。投球の繋がりや、組み立てですね。試合では『ここ』というところがあるんです。そういうところでしっかりと投げ切ることができれば、レベルは一気に上がると思っています。そこだけです」

――間違えてはいけない球でミスしないこと。
「ここで中(ゾーン内)に入ってはいけないだとか、ピッチングにはそういうところがありますね」

伊藤優輔【写真:竹村岳】
伊藤優輔【写真:竹村岳】

――又吉投手は前回登板となった5月1日、阪神戦で6回無失点と結果を残した。同じ相手だったことも影響した?
「なくはないですけどね。その前に自分の投球、というところでしたね」

――6日の広島戦(タマスタ筑後)では、板東湧梧投手が8回1失点と好投した。9安打は浴びたが、内容はあったように見えた。
「コントロールが良くなりました。比較したら悪いんですけど、(伊藤)優輔は『ここ』というところで、(板東は)ポイントポイントで投げ切れていることが多かった。そうなっていることが一番大きいんじゃないかなと思います」

――4月29日の阪神戦(タマスタ筑後)で7回2失点、19日のオリックス戦(同)で7回無失点と結果を出していた。グッと良くなった印象がある。
「出力というところに取り組んできたけど、それは継続しつつ。今の投球スタイルも維持できるように、ですね」

津森宥紀【写真:竹村岳】
津森宥紀【写真:竹村岳】

――先週では、津森宥紀投手が3試合に登板した。5月1日に登録抹消され、ウエスタン・リーグでも防御率4.15。
「津森はやっぱり、本来の噴き上がる強いストレートに取り組んでいるんですけど。それがまだちょっと少ないです。抜けてしまっているので。左バッターだと特に。そこの確率を上げられるようにやっています」

――中継ぎだと大野稼頭央投手、木村大成投手、岩崎峻典投手らが登板した。目立った選手は。
「その辺で名前が出た選手が、1軍に呼ばれた時に投げられるようにしないといけない。そういうボールはしっかりあるんです。岩崎なら、球の強さがあって(プロに)入ってきているので。それをしっかり出せるように。稼頭央は独特なボールが武器なので、それも続けてもらいたいです。大成は、力んでしまうとボールが散らばって、カウントを悪くしてしまう。スライダーも横振りしてしまう時があるので、それがクリアできれば面白いと思います」

川口冬弥【写真:竹村岳】
川口冬弥【写真:竹村岳】

――5日の広島戦、9回から登板した川口冬弥投手が2回無失点。延長10回は無死二塁から始まるタイブレークだったが、ゼロで切り抜けた。
「それが大収穫でした。何が良かったかというと、ランナーを二塁に背負った状況での神経の使い方です。フォークをどうやって落とすのか、コースはこっち側に入ったらいけない、そういうところにめっちゃ神経を使ったみたい。それが疲れたと言っていました。バッターも1軍経験のある人がいた(田中広輔)ので、すごく収穫でした。1軍にいったらこんなものじゃないし、終わった後にいろんな話はしました」

――本人も時間をしっかり使ったと言っていたので、その意識が結果に繋がった。
「それがよかったですね」

(竹村岳 / Gaku Takemura)