育成に“明暗”「野球にならない」 2軍指揮官のリアルな評価…川口冬弥は「絶大な信頼」

松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】
松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】

先発は育成右腕・井崎燦志郎…初回にいきなり4四球

 ソフトバンクの2軍は5日、ウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)に3-3で引き分けた。先発の井崎燦志郎投手は5回2失点。その後は木村大成投手、津森宥紀投手、川口冬弥投手が登板。川口は2回を投げゼロを並べ、10試合連続無失点となった。打線は9回1死満塁から敵失で1点を返すと、イヒネ・イツア内野手が右前2点打を放ち、同点に追いついた。試合後、松山秀明2軍監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――井崎燦志郎投手は初回、先頭打者から3者連続四球。計4四球を与えた。
「ストライクが入らないと、野球にならないので。打たれるのは仕方ない。次の自分の経験値としてプラスになるかもしれないけど、ストライクが入らないのはどうしようもない。育成でもね、チームとしてファーストストライクを取っていくという方針でやっているし、打たれるのはいいけど、まずはしっかりとしたコントロールですね」

――能力のある投手なだけに、もったいなかった。
「これが現実ですからね。プロ野球選手は続けられるから、プロ。1試合良くて、1試合悪いのはアマチュアです。力不足かなという感じですね」

――初回2死一、三塁の守備。井崎投手がモーションに入ると、三走・上本選手がホームスチールを狙った(タイミングはアウトだったがボークで失点)。あのプレーをどう見ていますか。
「でもイージーアウトでしたよね。惜しくもなかったし。そのまま投げられたらよかったけど、慌ててしまったね」

打線は9回に追いつくも…「1軍がこういう状況で」

9回に同点打を放ったイヒネ・イツア【写真:竹村岳】
9回に同点打を放ったイヒネ・イツア【写真:竹村岳】

――打線は、9回に3得点で追いついたが。
「最後までの内容がみんな良くない。チャンスはみんなもらっている。その中で、プロは競争なので。自分で自分のチャンスを掴んでいかないと。1軍がこういう状況で、逆に1軍に2軍から選手がたくさんいっている。2軍でも出られなかった選手が今、試合に出ているわけだから。2軍であろうが、チャンスを掴める選手にならないと」

――9回1死満塁、イヒネ・イツア選手の2点右前打で追いついた。
「よく打ったけど、あそこで打たなかったら内容はゼロなので(そこまで3三振)。そう思うと『あそこで打てなかったら』と思うと怖いよね」

――8回まで無得点。野手たちの雰囲気は。
「なんとか……と思ってできたらいいけど、思いだけで野球をやるわけでもない。そこに当然、技術もついてこないと。気持ちと技術がミックスしないと。どちらかだけではいけないので。チャンスはあるけど、生かせている選手は少ないかなと思います」

延長10回を無失点に抑え、雄叫びをあげる川口冬弥【写真:竹村岳】
延長10回を無失点に抑え、雄叫びをあげる川口冬弥【写真:竹村岳】

――川口投手は、2回無失点。10試合連続無失点となった。
「彼が一番、僕も含めて投手コーチも絶大な信頼があります。あとは、球数が増えた時のピッチング。44球やったし、きょうは彼にとってもいい練習になりましたね。最後にあそこで、ああいうボールを出せる。40球を超えてあのボールを出せるのは魅力ですよね。最後って大事なので。ダメなボールで打たれるのか、球際に投げられるのか、そこは天と地の差がある。そこの力を持った選手になってほしいと僕も言い続けています」

(竹村岳 / Gaku Takemura)