17歳のアルモンテが日本行きを決断した理由
日本に当てはめれば、高校2年生という年齢。親元を離れ、遠く離れた異国の地でプレーすることを決めた。17歳のデービッド・アルモンテ内野手はMLBからの誘いを断り、2023年12月にホークスと契約を結んだ。
今季は主に3軍でプレー。26日の栃木ゴールデンブレーブス戦(栃木)では、3安打を放つ活躍を見せた。将来が嘱望される若き逸材はなぜ16歳という若さで日本行きを決断したのか――。
「ドミニカ共和国の選手は、家族を助けるために海外でプレーすることが多い。メキシコやアメリカ、日本とかにね。自分も家族を養うために、プロ選手として野球がしたかったんです。その時にホークスから声がかかったので、日本に行くことを決めました」
ドミニカ共和国に住んでいた時から、ドジャース・大谷翔平投手やカブス・鈴木誠也外野手ら、メジャーで活躍する日本人のことは知っていた。一方で訪日経験はなく、未知の国。迷ったアルモンテに助言をしたのは父だった。
「お父さんが日本が好きだったからです。日本の方が良いというアドバイスをもらって日本に行くことを決めました」
野球経験者だったアルモンテの父に、日本との直接的な縁はなかった。それでも、16歳の息子を遠くに送り出すには野球以外の環境も重要。「日本は文化もいいし、治安もいいし、安心なところと話に聞いていた。なので日本なら任せられると思ったんだと思います」。
簡単に帰れる距離ではなく、慣れない環境や食事に1年目は苦しんだ。「去年は寂しく思ったり、だいぶホームシックになったりしました」。そんな日本での生活にも少しずつ慣れてきた。今では佐倉俠史朗内野手に日本語を教えてもらうなど、チームメートと良好な関係を築いている。「佐倉は僕の日本語の先生です」と笑う。
斉藤和巳監督の親心「甘えて欲しくない」
そんな17歳の成長を斉藤和巳3軍監督も父親のような眼差しで見守る。「こちらは理解してやらなあかんからね。日本で言えば高校生で、若くて異国の地に来てね。去年より姿も行動も全然変わってきている」と評価する。一方で、「若いから」「海外から来たから」はプロの世界では言い訳にならない。
「そこに甘えて欲しくはない。日本行きを決断したのは我々ではない。本人が決断したので。まだ色々とムラがあるので、そこら辺は少しずつ成長していってくれれば。一度に全部を求めるとまだ若くてパンクしてしまうこともある。そこは本人と話しながらね」
家族、友人のいる母国から約1万3000キロ離れた土地でプレーすることを選んだ。家族を養うため、日本で活躍するため――。1日でも早い支配下登録を目指している。そこに17歳という若さは関係ない。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)