柳田悠岐は「痛々しかった」 近藤とともに明かす現状…今後が“不透明”な重い理由

近藤健介(左)と柳田悠岐【写真;竹村岳】
近藤健介(左)と柳田悠岐【写真;竹村岳】

筑後で柳田悠岐と近藤健介が再会「会いました」

 ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」に、大黒柱たちが姿を見せた。28日、近藤健介外野手と柳田悠岐外野手がリハビリメニューをこなした。現状を語る表情には、はっきりと明暗が分かれていた。「痛々しい」という率直な印象とは――。

 近藤は開幕3連戦を終えると、3月31日に出場選手登録を抹消された。4月2日に「外側型腰椎椎間板ヘルニアに対する全内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術」を受けたことが球団から発表された。筑後にまで訪れるのも、腰の状態と“相談”しながらという段階だ。柳田は11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で右足に自打球を受けて途中交代。「右脛骨骨挫傷」と診断されていた。

 球団発表では「競技復帰は5月上旬頃を見込んでいます」とされていた柳田だが、筑後を訪れたのはこの日が初めて。リハビリ組の集合に姿は見せず、室内での調整に終始した。近藤が「会いましたよ」と明かすと「痛々しかったです」と印象を語る。背番号9が帰路に就いたのは、午後2時過ぎだった。

 自打球を受けてから17日が経った。右足の状態は「歩けるようになったので、不自由はありません」と話し、松葉杖を使わず、自力で歩けるようになっていた。ただ、当初の見込みよりも復帰は遅れることになりそうだ。今後については「痛みが取れないと何もできないので」と、患部にまだ痛みが残っていることも明かした。

 栗原陵矢内野手もまだリハビリ組だったころ、小久保裕紀監督は「飛車角、金とおらんくらいやもんね」と語っていた。常々「いるメンバーが最強」と表現してきた指揮官だが、チームは今、9勝13敗2分。柳田が離脱した12日以降に限っても、4勝7敗1分けと、苦しい戦いが続いていることは間違いない。

ロッテ戦で自打球を受けた柳田悠岐【写真:イワモトアキト】
ロッテ戦で自打球を受けた柳田悠岐【写真:イワモトアキト】

近藤健介、1軍合流は「もう言ってる間ですよ」

 一方で、前向きな表情を見せたのが近藤だった。正午前に、室内練習場に現れると、数本のダッシュを繰り返した。29日にはスイング動作も再開する予定で「順調にきていると思います。今のところは、とんとん拍子できています」と頷いた。「もう言ってる間ですよ。言ってる間に1軍に戻ります」と、力強い言葉で今後を見据える。

 明かしたのは、驚きのプランだ。1軍復帰のメドについて「交流戦明けごろか?」と問われると「そんなかからないです。5月27日のPayPayを目指してます」とハッキリ言った。火曜日で、日本ハムとの2連戦が始まる日。「まあまあ、モチベーションを上げるという意味で、です」と、あくまでもリハビリに対して意欲的に取り組むための目標設定ではある。具体的な日付が出てくるほど、道筋が見えてきたのは確かだ。

日本ハム時代にも腰を手術「今回は内視鏡だけ」

 腰の手術は、日本ハム時代の2017年6月にも経験している。「ファイターズの時の方が大手術というか、あの時は切っている。今回は穴を開けましたけど、内視鏡だけなので」と、比較しても別物だという。現状についても「腰自体はもう大丈夫なので。あとは他の筋力とか。周辺の筋肉の修復だったり、そっちじゃないですかね」。コンディションを回復させれば、復帰プランはより明確になっていくはずだ。

 現役最強打者とも言われ、昨シーズンはパ・リーグMVPを獲得した。近藤は「もちろん早く戻りたいですし、(1軍が)苦しいのは見ていてもわかるので。なんとか早く戻りたいです。でも足手まといになっても意味はないので、1軍レベルの体力も技術も含めて、治せるようにやっていけたらと思います」と意気込んだ。柳田とともに、必ずチームを救う。モチベーションを失うことなく、まずは万全な状態を目指すことになる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)