小久保監督は慎重「ずっと出るのは難しい」
5連敗と苦しんでいたチームを救ったのは選手会長だった。20日にベルーナドームで行われた西武戦。周東佑京内野手は打っては2安打1打点。守備では9回、フェンスに当たりながらもキャッチするファインプレーを披露し、勝利に導いた。
開幕から16試合連続安打をマークと好調を維持していたが、左膝の状態が思わしくなく18日、19日の同カードを欠場していた。この日、3戦ぶりに「1番・中堅」で出場し、セーフティバントで安打をもぎ取るなど、足の状態も良好に見えた。
一方で、小久保裕紀監督は「ずっと出るのは難しい。本当はきょうまで休ませたかったけど、なりふり構っていられなかった」と本音もこぼしていた。膝の状態はどうなのか、周東本人と本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチが明かしたプランは――。
「膝の状態を確認しながらになると思うんですけど、きょうの試合が終わっても、そこまで悪化している感じはないので、いけるのかなとは思いますけどね」
周東本人から出た言葉は前向きさと冷静さがまじっていた。昨年9月に左膝に違和感を覚え、シーズン終了後の11月に手術。17日の楽天戦では全力疾走を緩めるような仕草を見せ、18日の西武戦から欠場していた。ただ、この日は膝の不安を感じさせないようなプレーを連発した。セーフティバントで出塁すると、9回にはネビンが放った大飛球をジャンプしてキャッチ。グラウンドを縦横無尽に駆け回った。
本多コーチは「特にこちらから『やめておけよ』っていうのを言ってることはないです」。試合に出ている以上は盗塁、セーフティなどの制限をかけていない。「自分の足と相談してやっていると思うので」と選手の判断を尊重しつつ「試合状況、点差を考えて。今の彼の状況では無理はさせない」とした。
周東が分析した現状「来週以降に関しては…」
周東自身も「来週以降に関してはもう様子を見ながらかなと思います」と決して無理をするつもりはない。出場後、チームからプレーに制限がかかることはないが「色々な状況で変わることはあると思いますけど、臨機応変に対応することになるのかなと思います」と冷静に判断している。
「彼は非常に相手にとっても間違いなくプレッシャーかかる選手」と本多コーチが話すようにチームにとって大きな戦力。すでに柳田悠岐、近藤健介、正木智也の3外野手がリハビリ組に移管。さらなる離脱は避けたいだけに、慎重な判断が求められそうだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)