村田賢一は配置転換へ、前田悠伍投手にも言及
ソフトバンクの2軍は20日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)に3-6で敗戦した。小笠原孝2軍投手コーチ(チーフ)に、このカードを振り返ってもらった。3日間で先発したのは伊藤優輔投手、板東湧梧投手、木村光投手。1軍を目指す3人に対して、語った“最新の評価”とは? また、育成右腕には「次元が低かった」と苦言を口にした。夏場に向かっていく中で、首脳陣は“チャンスの序列”を思い描いている。
――まずは18日の初戦、伊藤投手が6回2失点の投球を見せた。らしさも見えていた内容に思えたが。
「一番、登板の中では真っすぐのコントロールがよかったですかね。ゾーンにもいっていたし。あとは、カーブも有効に使えていたし、それはよかったところです」
――スタミナ面を課題にしている。投げて覚えていくしかない?
「だと思います。ちょっと急にガクッと(球威が)落ちましたけど、それは引き続き、課題ですよね」
――18日の投球だと大崩れしなさそうな印象を受けた。
「あれはたまたまです。要は結果オーライでした。カウントを不利にして打ち損じてくれたり。1軍だとそれは許されないし、結果オーライではすまないので。やるべきことは、きっちりやっておかないといけないですね」
板東湧梧は2戦目で7回無失点…見えた“収穫”とは?
――19日、板東投手は7回無失点。1軍を基準とした目線で見ると、いかがでしたか?
「板東は、抑えている理由としては見えました。やるべきことをやっていましたよね。特に左打者の近いところ(内角)に投げ切ること。そういう意味で、すごく収穫はあったんじゃないですか」
――4月8日、広島との2軍戦(タマスタ筑後)では6回2失点だった。小笠原コーチも「もったいない」と表現されていましたが、今回は?
「そうですね。真ん中に入っていくというのもなかったですし。ちょっとはありましたけど数球でしたし、確率的にしっかり投げられている球の方が多かった。それは収穫だと思います」
――板東投手も、制球力で勝負していくタイプだと話していた。進もうとしている方向が見えるような内容だった。
「現時点ではそうですね。出力も引き続き求めつつ、今やるべきことはそうなりますね」
首脳陣から木村光に対して与えた課題
――きょうは木村光投手が4回5失点だった。
「やろうとしていることができていなかったです。投球というところにおいて、もう少し高いレベルとしないと“投球”になっていない。だから、厳しいですよね。長いイニングを投げていくのであれば、そういうところを求められると思います」
――打者との間合いや、タイミング、牽制を入れるだったり、そういうところまでの意識を求めたい。
「そうですね。間合いもそうだし、リズム。自分で間合いを変えないといけない。長く持ったり、緩急や、そういうところも含めてです。ランナーを出してから。あとは、真っすぐの質がいいので、『高めに』っていうこっちからの要望があったんです。実際、投げているんですけど、高すぎて意味がない部分があった。高すぎて、ただのボールになっている。そこを振りにこさせる、というのができるように。(高めに)いってしまって、それがファウルになるのはけっこうあったんですけど」
――首脳陣が「高め」というテーマを設定した理由まで、しっかり消化して実戦に挑むことが重要。
「そうです。あとは練習です」
小笠原コーチもきっぱり、支配下への思い「伝わらない」
――リリーフ陣では、3日間で9投手が登板した。そのうち5人が育成で、小笠原コーチも先日は「物足りない」と言及していた。全体の印象としてはいかがでしたか。
「川口はよかったし、それを続けること。あとは、支配下になりたいっていうのが伝わらない。もっとガツガツした方がいいです」
――19日、2番手として登板した岡田皓一朗投手は4安打を浴びて4失点を喫した。
「コントロールですよね。ストライクを取るのに精いっぱいだったので、ちょっと次元が低かったです。自分の気持ちもコントロールできていませんでした」
――具体的に話せないかもしれませんが、育成の選手に与えるチャンスというのは、首脳陣の中でも序列がある?
「そうです。そのうち、『平等に』とはいかなくなってきますよね。だから今のうちにちゃんとアピールしておかないと」
――宮崎颯投手や川口冬弥投手が、今なら結果を残している。1軍の状況も変わるだけに、チャンスの数も少しずつ偏っていく。
「そうなります。あとは3軍にいってやってきてください、と(なると思う)。それは僕が決めることではないんですけど、そういう要望はコーディネーターにもしていかないといけない。あとはしっかり投げる以外が、例えば牽制が課題ですという人は、牽制を思い切ってやらないといけない。『失敗してもいい』と言っている中でやらないのだったら、このチームの『トライ』って掲げるところがね。やらない人が多いです。それは支配下も含めて。どんどんトライさせていかないといけないです」
――村田賢一投手は今後、リリーフとして起用する?
「そうです」
――前田悠伍投手は1回ローテーションを飛ばす?
「そうです」
(竹村岳 / Gaku Takemura)