リハビリ過程は「順調です」…早ければ今月中旬にも実戦復帰へ
想像すらしていなかった“初診”に驚きを隠せなかった。「んなわけない」——。S組の一員として調整を任されてきた春季キャンプだが、2月中盤に左ふくらはぎ痛を発症し、リハビリ組へ合流した今宮健太内野手。開幕まで残り3週間となった今、現状をありのままに語った。
チームリーダーの心の火は、消えるどころか明るさを増している。6日、筑後のファーム施設でリハビリメニューをこなした今宮。ウオーミングアップを終えると、すぐさまフリー打撃へ移行。タマスタ筑後のグラウンドで40分近く内野ノックを受けると、マシン打撃を“おかわり”。ほぼ休息を取らずに汗を流した。
「きょうはロングタイムとまではいかないですけど、ノックを左右に振ってもらって30分以上受けましたけど、問題はなかったので。今のところは順調に来ていると思います」。リハビリ組に移っておよそ半月。時折笑顔をのぞかせながらも、引き締まった表情を見せている今宮が、故障の“真相”を明かしてくれた。
「最初に診断を受けた時に(全治)2か月と言われて『んなわけない』と。僕の感じているものとは違っていたので『それは絶対にないな』とは思っていましたけど。まあ、(左ふくらはぎの故障が)2回目だったので。そこは自分の感覚を信じましたね」
2020年も8月中旬に同箇所を痛め、そのまま復帰することができずにシーズンを終えた。その経験があったからこそ、今回の初診結果に動揺することはなかった。「宮崎からこっち(筑後)に帰ってきて、できることはたくさんあったので。それをしっかりやっていました」。その後のセカンドオピニオンで、当初の診断よりも軽症であることが判明した。
とはいえ、3月28日のシーズン開幕に向けて時間があるとは言えない。現段階で復帰が間に合うかは微妙な状況だが、今宮ははっきりと口にした。「そこを諦めるはずがないです。じゃなきゃ、ここまで練習してないですから」。
6日の練習でも、最先端の打撃マシンで伊藤大海投手(日本ハム)のピッチングを再現し、ボールを打ちこんだ。「今日初めて使ってみたんですけど。ああいうものを活用しながら、本当に実戦に近い感じでやっていければいいなと思います」。試合に出られずとも、目だけでも慣らしておく——。今宮のプロ意識が現れた取り組みだった。
今週までにダッシュの切り返しなどを確認し、体に異変が生じなければ次のステップが見えてくる。「全力でこなせることができれば、来週からは実戦に近い練習に移っていけると思います」。早ければ今月中旬にも実戦復帰が見えてくる。
「もうやれることを徹底してやるだけなので。無理をするつもりはないですけど、ゆっくりしている時間もない。焦りながら、全力でやっていきたいと思います」。一時はチームリーダー抜きでのシーズン開幕も危惧されたが、一筋の光が差し込んでいる。3月28日、本拠地のショートに立つ姿はすでにイメージできている。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)