2005年オフに結婚…妻と娘への思い「日常は変わりましたよ」
鷹フルがお送りする和田毅さんの単独インタビュー。全10回の第7回、テーマは「家族への感謝」についてです。2005年に結婚して20年、プロ野球生活を親身に支えてくれた妻と娘に抱く思いとは――。現役を引退してから過ごす「かけがえのない時間」を明かしてくれました。
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ユニホームを脱いでからおよそ3か月。現在は球団統括本部付アドバイザーとして多忙な日々を送るかたわら、現役時代にはなかなか作れなかった家族の時間も大切にしている。「日常は変わりましたよ。朝から野球の練習に行くこともないし、家にいるし。仕事が忙しくなったりとかもありますけど、基本は家族で一緒にいるので」。
3年目を終えた2005年オフ、タレントの仲根かすみさんと入籍した。それから20年、共に人生を歩んでくれたことへの感謝は尽きない。「自分より嫁さんの方が大変だったと思います」。著名人同士の夫婦だからこその“苦労”があったと語る。
「嫁さんもやっぱり僕の妻っていう意識は絶対にしていると思います。例えば誰かと話をするときとか。そういうところで自分へのイメージが悪くなったりとかする可能性もゼロではないので。そういったプレッシャーはあったのかなとは思います。苦労っていう意味では自分以上じゃないですかね。子どももいるし、両方をしないといけないので」
妻への気苦労をおもんぱかった一方で、和田さん自身にも重圧はあった。「自分の結果が悪かったら、奥さんが色々と言われるし。結果が良くても、何かと言われるじゃないですか。日本だからこそなのかは分からないですけど」。22年間のプロ生活は、自身との戦いだけではなく、家族を守る日々でもあった。
感謝の思いは一人娘に対しても同じだった。「自分がノックアウトを食らった次の日とか、娘もなにか学校で言われていないかなとか。心配はありましたね。直接言われたことはないですけど、隠してるだけかもしれないので。そういう意味では娘にも苦労をかけたと思うし、学校行事にもなかなかタイミングが合わないことが多くて。去年は体育祭に行けたんですけど、ちゃんと参加できたのは初めてでしたね」。
今、一番落ち着ける場所は自宅だという。「自分の素というか、何も考えずに過ごしています。誰かに見られていないので、気が抜けますね。できるなら、生活の全てを家の中で完結したいですね。誰にも会わずに。そういうわけにいかないですけど」。冗談っぽい口ぶりとともに、柔らかな笑みを浮かべた。
現役時代にはできなかったスケジューリングも可能になった。「ようやくちゃんとゴルフができるようになって。やめる前はオフまでできなかったので。嫁さんと一緒に回ったりとか、そういうこともできるし。ご飯を食べに行くのも、今だったら予定も立てやすくなりましたね」。
もちろん家族孝行も忘れていない。「こういうとこに行けたらいいよねとか、旅行の話は結構しますね」。1年のほとんどを野球にかけてきた生活は終わっても、“和田毅の人生”は終わらない。ファンを笑顔にさせていた男は、これから家族にもたくさんの笑顔を作っていく。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)