和田毅が語る“老後”…60歳で叶えたい意外な夢 密かに模索「雇ってくれるところがあれば」

単独インタビューに応じた和田毅さん【写真:冨田成美】
単独インタビューに応じた和田毅さん【写真:冨田成美】

人生でアルバイト経験ゼロ「雇ってくれるところがあれば」

 鷹フルがお送りする和田毅さんの単独インタビュー。全10回の第6回、テーマは左腕が思い描く「理想の老後」についてです。1月には「球団統括本部付アドバイザー」に就任した和田さんだが、語ったのはさらに先の将来――。意外過ぎる“夢”や、美容に対する意識の変化についても、ざっくばらんに明かしてくれました。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 21日には44歳の誕生日を迎える。若々しいルックスとスタイルは今も健在だが、あと6年で50代に突入する。「全くイメージが湧かないですね。これから何が起きるか分からないし……。ゆっくり、楽しく過ごしたいですけどね」。22年間のプロ野球生活で叶えられなかった夢があるという。

「昔は60歳で定年っていう時代でしたし、野球(に携わる仕事)をやっていればいいですけど。もしやっていなかったら、どこかの喫茶店で働いて、コーヒーでも作ろうかなと。雇ってくれるところがあればですけどね」

 島根・浜田高から早大に進学し、鳴り物入りでホークスに入団。これまでにアルバイトをした経験もないといい「スタバ(スターバックス)とかで働こうかな」とにやり。「60歳とかになって自分で喫茶店を建てられるだけの資金があれば、マスターになったら面白いなっていうのはありますね。これまで見られる立場だったので、色んな人を観察するのも楽しそうかな」。

 煌びやかプロ野球の世界に身を置きながらも、過酷なサバイバルを戦い抜いてきた。だからこそ“老後”に求めるのは安らぎのようだ。「楽しい時間を過ごすことができたら、それでいいんじゃないですかね」。“老後”に思いを馳せる様子は、これまでマウンド上で見せてきた表情とは正反対の穏やかさだった。

 ユニホームを脱ぎ、美容への考え方も少しづつ変わってきているという。「ファンの方から最近頂くものが、顔のパックとか、日焼け止めクリームとかで。『もうちょっとお手入れしろって言われているのかな』と思って。前よりすごく増えましたね。『顔パックをもらった』って嫁さんに言ったら、『これ、すごくいいやつじゃない!』って反応されて。『あ、知ってんだ』と思いましたね」。

 思わず苦笑し「(周りに美容のことを)言われれば言われるほど気になりますよね。あ、やっぱり俺も年を取ったんだなと思いました」と明かす。髪の毛については「一時期は染めようと思って、ちょっとやっていましたけど。今はもうめんどくさくなって、やめました。だいぶ(白髪も)出ています。それはそれでいいかなと思って」と、自然体を貫いている。

 引退後、一気に体重が増えるOBもいるが“巨大化”を全力で拒否した。「それはなりたくないですね。野球選手の時のイメージもあるので。それが崩れないように。野球に携わってる以上は、自分の健康のことも考えて維持しようかなとは思ってます」。ストイックさはこれからも変わらなそうだ。

 引退会見では「福岡に住み続けられたらなとは思っています。その予定ですし、どっかに行けと言われたらしょうがないですけど」と、冗談交じりながらも“永住宣言”した。「喫茶・和田」の夢は実現するのか――。それもまたホークスファンにとっての楽しみだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)