涙を乗り越え…尾形崇斗が遂げた“激変” きっかけは牧田コーチの助言、マウンドで呟く言葉

  • 記者:竹村岳
    2024.10.28
  • 1軍
ソフトバンク・尾形崇斗【写真:竹村岳】
ソフトバンク・尾形崇斗【写真:竹村岳】

プロ7年目で日本シリーズ初登板…敵地の大歓声にも「素晴らしい景色」

 大舞台でも、マウンドで呟く言葉は同じだった。「無心」。自身の球だけに集中して、役割を果たしてみせた。ソフトバンクの尾形崇斗投手は、なぜこんなにも短期間で成長することができているのか。

 27日に横浜スタジアムで行われた「SMBC日本シリーズ2024」の第2戦。ソフトバンクはDeNAに6-3で勝利し、2連勝を飾った。4点リードで迎えた7回2死一、二塁の場面。敵地の歓声がさらに大きくなった状況で、先発のリバン・モイネロ投手からバトンを受けたのが尾形だった。

 まず相対したのは、今季セ・リーグ4位タイの23本塁打を放った牧だった。真っすぐ2球で追い込み、外角のスライダーで揺さぶったものの、最後は内角への直球を左翼線に運ばれる適時二塁打を許した。続く打者は4番の筒香。ここも直球でグイグイと押し、最後はスライダーで遊ゴロに仕留めた。「素晴らしいタレントが多いDeNAの中でも中心となるような2人の打者でしたが、自分のできることをやろうと思って、いつもと同じマインドセットでマウンドに上がりました」と平常心を貫き、リードを保ったまま後続につないだ。

 福島・学法石川高から2017年育成ドラフト1位で入団した尾形。2020年3月に支配下登録されたものの、なかなか1軍に定着できずにいた。今年も3月にコンディション不良で出遅れると、1軍に昇格したのは7月12日だった。8月7日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2失点を喫すると、涙を流しながら球場を後にした。翌8日に登録抹消。またしても1軍の舞台で自分の力を発揮できなかったことが悔しかった。

 再昇格したのが9月6日。以降は9試合に登板して防御率0.00と結果を残したまま、レギュラーシーズンを終えた。小久保裕紀監督も「終盤は尾形(崇斗)が非常に良くなってきました」と名前を挙げるほど、見違えた姿を示した。右腕が好調の要因の1つに挙げたのは、牧田和久3軍ファームコーチの助言だった。8月に登録抹消されていた期間の出来事を振り返った。

(竹村岳 / Gaku Takemura)