和田毅が語った全て 2週間ぶり実戦は6回零封…「勝負できる」ようやく掴んだ形

ソフトバンク・和田毅【写真:飯田航平】
ソフトバンク・和田毅【写真:飯田航平】

状態が上がらなかった原因は「指を意識しすぎて」

 ソフトバンクの和田毅投手が10日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦で実戦復帰を果たした。3月26日の同リーグ広島戦で左手中指のマメの状態が悪化し、4月2日のロッテとの本拠地開幕戦の登板を回避。約2週間ぶりの実戦は、6回を投げて4安打6奪三振無失点という内容だった。最速は143キロ。登板を終えた和田のコメントは以下の通り。

――今日のピッチングを振り返って。
「今までに比べれば、0点に抑えられたんで、自分自身も少し安心したかなっていうのはあるんですけど、まだまだやっぱり細かいコントロールとかはまだ(課題として)あるので、そこはもっともっと突き詰めていかないといけないなと思います」

――初回は3者凡退で抑えた。
「感覚的にはいい時の感覚には戻りつつはあるかな、と。まだ完璧なコントロールとか、自分の1番いい時に比べれば、まだまだですけど、ある程度勝負できる形というか、ボールは増えてきているんじゃないかなと思います」

――小久保監督が見に来ていた。
「僕に限らず、若い選手が今日は打ちまくってるんでね。絶対に監督が来られている効果なのかなと見てて思いました」

――前回の登板との違いはあった。
「やっぱり、指の不安ももちろんありますし、そこでフォームが崩れるっていうのはあるんだなと思いました。今日も5回にカーブが抜け始めてきていたので、ちょっと不安だなと思ったら、急にスピードが落ちたので、そういうのってあるのかなと思いつつ。もっともっと、指の状態を完璧にしていきたいですし、投げて、特に痛みとかもなかったので、自分の中ではようやく勝負できる形ができつつあるかなと思いました」

――今日はポジティブに考えられている。
「当然、反省点はもちろんありますけど、これは、まだ上の試合でもなくて、下のファームの試合なので。もっともっと突き詰めていかなとね、簡単に上ではやられてしまうと思うので。もっともっとよくなっていきたいなと思います」

――左手中指のマメの状況は?
「いや、もう固まりつつあって、あとは周りの皮とかが結構剥けてるというか、何層も剥けてる状態だったので最初は。そっちの方がちょっとひどかったというか、血マメになりつつあるっていうのもあったんですけど。逆剥けじゃないですけど、皮が3層ぐらいまで、という状態だったので、今日もその皮がちょっとめくれそうにはなってはいたんですけど、そこもなんとか乗り越えて」

――今は順調に回復している?
「はい。今日は本当にいい形で投げれましたし、投げて不安というのは指に関してはなかったので」

――1軍に向けての意気込みを。
「本当にようやく、自分にとってはオープン戦から投げ始めて、ある程度納得というか、いい形っていうのが初めて出たばかりなので。下の試合といえど、続けていって、もっともっと自信を深めていけるように頑張りたいと思います」

――真っ直ぐで打者がボールの下をスイングする場面も多かった。
「数字的に、前回よりも全然出ていましたし、相手の反応を見れば、真っ直ぐだけじゃなくてスライダーとか、チェンジアップとか、カーブとかでも、いい時の反応が(出ていた)。ファームの試合とはいえ、当然プロなので、そこはもう全然、前回のカープ戦の時の反応とは全然違ったので、そういう面ではよかったのかなと思います」

――今日は球数が決まっていたのか?
「5イニングは行きたいなと思ってはいたんですけど、球数もある程度70から、最低でも80球近くはいきたいなと思っていて。5回で指のこともあったんで『どうする』って言われたんですけど、まだ60球ぐらいだったので、いけるんだったらいきたいです、ということで。やっぱり投げていかないと指の方も分からないですし。逆にスピードがちょっと落ちている時でも、どうやって抑えていくかっていう中で、前回の広島戦の時とはバッターの反応が全然違ったので。それはほんとに良かったかなと、その点はね、良かったなと思います」

――今年の実戦の中でも1番よかった?
「バッターの反応が全然違ったので、そこは一番かなと思います」

――ここから何度か投げて1軍で勝負できるようになる?
「(復帰後)下でまだ1回しか投げていませんし、ようやく自分の中で形ができつつあると思うので、これを続けていかないといけないと思います。上もこうやってね、すごく先発が今しっかりと回っていますし、何が起きるかわかりませんので、しっかりと自分が準備をして、どこでも行けるようにって、迷ってもらえるぐらいのピッチングを続けていきたいなと思っています」

――監督と倉野コーチとは試合前に話した?
「いや、全く話していないです。倉野さんとは試合前に、キャッチボールの時にちょっと(話しました)。『今日初めて会ったな』っていう話はしましたけど。全然会ってはいなかったですね。監督ともお会いはしていないですね」

――マメはどういう風に固めていくもの?
「もう今日で、投げて血マメになるとか、痛みとか、そういうおおもとのところは全く問題なかったので。あとは周りの皮が何層も剥けてるところがあるので、そこは今日ちょっと投げてる途中で処理したとかはあったんですけど、そこが落ち着いてくれば、自分にとって不安はもっともっと消えてくる。あとはもう保湿というか、指にしっかり、細心の注意を払ってやっていくしかない。あとはもう自己治癒能力しかないので。そこはもう投げながらやっていかないとなと思います」

――球速面でまた140キロ台後半のボールは投げられる?
「スピードガンも去年と違う種類を使っているみたいなので。去年だったら出てるのかな、と思ったりとか(笑)」

――感覚として悪くなかった?
「感覚的には今日は悪くなかったですね。初回の感じの『あ、これで43出てるんだ』『42出てるんだ』っていう。感覚的には悪くはなかったので、本当、投げてもいい張りというか、下半身が結構いい感じで張っているので、今日は。そんなに出力も落ちていなかったですし、自分にとっては本当にいい兆候が出た試合だったかなと思います」

――1軍の先発陣を見て感じることもある。
「しっかり先発が回って投げていますし、自分も早くその輪に加われるように頑張りたいと思います。そのためには結果を残さないといけないと思うので、まず自分がしっかりしなきゃいけない。1軍の中で選んでもらえるようなピッチングを続けていきたいなと、続けていかないといけないなと思っています」

――前回指に当たった影響は?
「その影響はあんまりそこまで大きな問題にならなかったです」

――前回登板からどういうところを調整した。
「まず、やっぱり指を意識しすぎて、上で投げている部分はありました。指にかかる比重というか、潰さないようにっていうかけ方しかできてなかったので、まずはしっかり指を治して、自分がやってきたことをもう1回イチから練習というか、フォームもそうですし、映像を見たりとか、色んな方に相談してやった結果です。この2週間ですかね。それがいい方向にいったので続けて、まだ映像見てないので、また見直してもっとよくなれるように頑張りたいと思います」

――このあと監督とお話する機会はあるでしょうか?
「また明日ね。明日は練習ですけど、お会いする機会はあるかもしれないですね」

(飯田航平 / Kohei Iida)