東浜巨は練習しすぎ? 浮き彫りとなった「悪い癖」…必要な線引きする“勇気”

ソフトバンク・東浜巨【写真:竹村岳】
ソフトバンク・東浜巨【写真:竹村岳】

「僕に関してはコンディションが大事」…痛感した調整面の苦悩

 実直な性格が、表れたようなシーズンだったのかもしれない。ソフトバンクの東浜巨投手が20日に契約更改交渉に臨み、現状維持でサインをした。3年契約の2年目となる来季、年俸の金額は非公表だが1億5000万円前後だと見られる。会見で口にしたのは「僕に関してはコンディションがすごく大事」だということ。そして「僕の悪い癖」と自己分析する部分についても言及した。

 今季は17試合に登板して6勝7敗、防御率4.52。浮き沈みの激しいシーズンで「1つもいい数字は残せていないですし、自分の成績がチームの順位に直結していると思います。そういう意味では責任を果たせなかった1年だった」と、誰よりも東浜自身が責任も悔しさも抱いている。最終的にもチームは3位に終わり、クライマックスシリーズでも登板はなかった。

 悔しさと苦しさが目立った2023年。成績はもちろん、その内容までもしっかりと受け止める中で、東浜が要因と語ったのが「コンディション」だった。6月には34歳となった。「そういうところがまだまだ下手くそ」と言う調整の面において、どんなことを感じた1年だったのか。それが東浜の「悪い癖」だった。

「年齢というよりも、どうしても僕は自分の悪い癖で練習しすぎてしまう癖がある。そういうところでコンディションが落ちてしまったらゲームで発揮できなくなってしまうので、そういったところの調整というのがまだ本当に下手くそなので。そういうところを変えていかないといけないです」

 先発投手にとって、登板は週に1回。毎日試合に出る選手とは少し違う。1週間の過ごし方がそのままマウンドのパフォーマンスにつながるとも言っていいような、調整が大切なポジションだ。「練習しすぎ」というのも実直な東浜らしいが、それほど思うようにもいかなかったシーズンだった。練習を減らすというのは選手にとっても不安かもしれないが、新任の倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)とも話し合いを済ませており、来季の具体的な方針についても意見を交わしているという。

「(練習量について)勇気を持ってそこに関しては線引きできるところは思い切ってしていきたい。倉野さんともそういう話をして、理解していただいたので。新しいことをどんどんしていきながら『こっち側も(協力)やるから』と言っていただいた。1年間、そういうところにも注意してやりたいなと思います」

ソフトバンク・東浜巨【写真:竹村岳】
ソフトバンク・東浜巨【写真:竹村岳】

 自分としても、マウンドでのパフォーマンスだけにピントを合わせていた。先発投手は基本的に、調整の一環でキャッチボールを毎日行う。先発登板の日なら練習中と試合前の2回だ。「ここ1年くらい」の東浜は、キャッチボールを試合前の1回だけにして、少しでもマウンドで力を発揮できるように投げる数を調整してきた。「削れるところは削って。まだ昔からの悪い癖が残っているので」と、先発投手にとって試合だけでなく、日々の球数もどれだけ重要なのかがわかる。

 コンディション面で苦労した時期があった。今季の最後の登板は9月7日のロッテ戦(PayPayドーム)。18日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で先発予定だったが、体調不良で板東湧梧投手が緊急で先発した。当時についても「ちょうど何人かまとめて(体調不良者が)出た時期に、僕もそこでなってしまった。症状がちょっと長引いたのもあって……。なんともやりきれない気持ちでした」と明かす。1度落ちてしまった状態を、もう1度戦えるレベルに戻ることも含めて、難しさも悔しさも経験した。

「変えるところは変えないといけないですし、いろんな人の調整を見て真似はするようにしているので。そういう意味ではまだまだ。倉野さんとも相談しながら、いろんな人とも相談しながらやっていきたいです」

 チームの最年長投手は42歳の和田毅投手。その次が東浜と、又吉克樹投手だ。和田の練習量には東浜も「していますね。でもやっぱりメリハリはすごいです。そこに関しても聞ければいいと思いますし、和田さんもどちらかといえば練習するタイプなので。一番参考になるかもしれない」という存在が身近にいる。結果を求めるあまり練習から投げすぎてしまっては、実直な性格も裏目となってしまう。倉野コーチも含めて、支えてくれる人たちの存在を自分の成長につなげていきたい。

「一番はローテーションの一角を、勝ち取るところからのスタート。そこに関しては一からのスタートだと思うので、争いの中で勝ち取っていきたい」と目標は明確。練習をしないことすらも、プロの投手にとっては調整の1つ。求めるものは、マウンドでの結果とチームの勝利だけだ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)