オスナは「今までのホークスにないタイプ」 松本裕樹が語る…学んだプロとしての姿勢

ソフトバンク・松本裕樹【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・松本裕樹【写真:荒川祐史】

オスナは「今までホークスにいないタイプの人」…松本裕樹の言葉の真意は

 去就が流動的だったロベルト・オスナ投手が、来季も残留することになった。圧倒的な存在感はもちろん、プロとしての姿勢でも後輩たちを引っ張った守護神。ともに必勝パターンを担ったのは藤井皓哉投手と、松本裕樹投手だった。松本裕はオスナの存在を「今までホークスにないタイプの人」と表現する。1年で強烈な足跡を残した右腕から、何を学んだのか。

 松本裕は今季が9年目。開幕からブルペンの一角としてチームを支え、キャリアハイの53試合に登板し2勝2敗、25ホールド、防御率2.68の成績を残した。特に8月は月間防御率1.29、9月&10月は同1.50と、終盤戦には“8回の男”として定着。「シーズンを通してパフォーマンスが落ちることがなかったのは良かったです」と、自信が確かな輪郭となって芽生えるようなシーズンになった。

 小久保裕紀新監督も就任会見で「おらんかったら話にならない」と言うほど、チーム全体にとっても待望だったオスナの残留。松本裕は藤井とともに、すでに2024年のリリーフ起用を首脳陣から通達されている。オスナと2024年以降もともに戦えるようになったことを、松本裕はどのように受け止めたのか。

「1年間色々と良くしてもらって、学ばせてもらった。それがまた来年もできると思うと、すごく楽しみです。今まで、ホークスにないタイプの人なので、勉強になりましたね」

“ホークスにないタイプ”という言葉については「バリバリのメジャーリーガーはいなかったですし、そういったところではいろんな刺激をもらいました」と語る。MLB時代にセーブ王に輝いた経験からにじみ出る全てを、しっかりと受け取っていたつもりだ。松本裕の主な“職場”は8回だっただけに、真後ろにオスナが控えることが多かった。「1点でも勝っている状態で繋げればなんとかしてくれるというのはありました」と常に頼もしさを感じていた。

 オスナは今季、49試合に登板して3勝2敗26セーブ、防御率0.92。他のリリーフ陣も含めて松本裕も、遠征先でオスナに食事に連れて行ってもらった。藤井は「オンとオフの切り替えがすごい」とオスナの偉大さを表現していたが、松本裕はグラウンドの内外で見てきた大きな背中から、何を学んだのか。プロとして結果にこだわり、準備を怠らない姿を追いかけてきた。

「すごく野球に対しては真剣に向き合っていて、試合でいかにパフォーマンスを発揮するかというところを一番に考えて練習、準備しているように見える。試合で投げる以外のところでの姿勢だったり、相手チームのデータや情報もしっかりと見たりしているので。僕らはホークスでのやり方しか知らなかったんですけど、違う視点だったり、もっと必要な情報を知ることができたので、そういう意味でも勉強になりました」

 オスナの方から進んでアドバイスしてくるようなことはなかったという。後輩である自分たちから「『どうしたらいい?』というふうに聞くと、すごく見ている。『もっとここはこうした方がいいと俺は思っていた』っていうアプローチをしてくれます」と、意見を求めた時には的確な答えが返ってきた。助言をしてこずとも、それだけ1人1人に目を光らせている証。「メジャーのスタイルがそうらしいです。コーチも自分から教えに行くよりは、聞きに来るのを待つそうで」と日米の違いをオスナも生かして、チームメートと接していた。

 1人の投手としてはどうだろう。松本裕がすごみを感じたのは制球力だった。オスナの49イニング6四球に対して、松本裕は47回で17四球だったのだから、違いは一目瞭然だ。「全部のボールを操って投げている。あの体の大きさであのスピードなので、逆にコントロールを意識して自分が使えるような投げ方をしているのかなって思います。球速を出すための投げ方をしていないので、球速だけを出しに行ったらもっと出るはずなんですけど、そうじゃないところで頭を使って勝負しているところがすごい」。今季の最速は158キロだったが、さらに上を感じさせるだけのものを、オスナは秘めている。

 大津亮介投手やリバン・モイネロ投手らが先発転向し、ブルペンの陣容も少し様変わりしそうな2024年。10年目を迎える松本裕も「みんな実力のある投手ばかりなので、勝ちパターンが誰かを決めなくても、それぞれが緊迫した場面で投げられるような投手が多いので、そういう意味での強さはあるんじゃないかなと思います」と頼もしさを寄せた。オスナを筆頭に、全員で勝つ。優勝という悲願に向かって、松本裕樹の力が欠かせない。

(竹村岳 / Gaku Takemura)