栗原陵矢が契約交渉で球団にぶつけた要望 過ごしたからこそ感じたリハビリ組の実状

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】

6日に契約更改交渉を行い、700万円減の6300万円でサイン

 チームを背負って立つべき立場として意見をぶつけた。ソフトバンクの栗原陵矢外野手が球団にリハビリ組の環境改善を訴えた。6日に本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、700万円ダウンの年俸6300万円(金額は推定)で来季の契約にサイン。交渉の席で要望したのが、自らもいたリハビリ組のことだった。

 交渉を終えての会見で球団への要望を問われた栗原はこう口を開いた。

「リハビリ組のことをもっと大事にじゃないですけど、見てくれる方の人数もそうだし、練習環境もそうだし、もっともっとより良いものをお願いできたらなということは言いました」

 今季は96試合に出場して打率.239、13本塁打49打点に終わった栗原。左膝の炎症で7月末に出場選手登録を抹消されると、8月16日の復帰直後に今度は右有鈎骨の骨折で再び離脱した。リハビリ組で過ごす期間が長くなった。昨季も前十字靭帯断裂の大怪我でシーズンのほとんどをリハビリ組で過ごした。長く見た場所だったからこそ、改善点も見えた。

「4軍まで出来て人数が増えて、どうしてもリハビリの選手たちは場所的にも室内で練習することが多くなったりとかして、復帰間近の選手の練習場所が確保できないとかがあった。見てくれるトレーニングコーチとかも少ないので、リハビリ組の人数が多くなった時にすごく足りないなっていうのも思いました」

「あとは室内の空調関係とか、ですね。夏場とかはもうめちゃくちゃ暑いんで、そういうところももっともっと何かできることがあれば、練習の効率とか質も変わってくると思うので。何かちょっと内野のグランドだけでもできれば、もっと練習がうまく回るのかなとも思います」

 ホークスは今季4軍制が発足し、育成選手含めて150人近い大所帯になった。2軍、3軍、4軍のファーム全てが筑後にいると、練習場所の確保にも悩まされた。午前、午後の時差練習にするなど、試行錯誤されていた。リハビリ組も当然、その煽りを受け、室内練習場の隅で地道なトレーニングをこなすしかない時間もあった。トレーニングコーチやトレーナーの人数も多くはなく、1軍選手にかかりっきりになってしまったり、別の選手の練習中に“練習待ち”が起こったりすることもあった。

 栗原が口を開いたのは自覚の表れからだった。リハビリ組には入団して日の浅い若い選手たちも多くいた。一緒にトレーニングに励む中で、年下の選手たちを見て感じることもあった。

「若い選手って言いたくても言えないことってたくさんあると思いますし、練習をやっていて思ってることもたくさんあると思います。そういうのはやっぱり僕らが言っていってあげないと、どれだけできるかわからないんで、野球人生って」

 自身も前十字靭帯断裂、有鈎骨骨折と2年続けて大きな怪我に見舞われた。骨折は7、8割まで回復してきているものの、まだ痛みや違和感が消え去ったわけではない、という。そんな自身の境遇を鑑みても、たとえリハビリ組とはいえ、1日たりとも無駄にはできないもの。そんな思いからの訴えだったのだろう。

「2月1日のキャンプインに合わせていきます。小久保監督とは話してはいないですけど、あれだけのことをメディアを通して言っているので、もちろん意識しています。2月1日に合わせていきます。甘えていられないですね」

 来季が10年目となる栗原。名実ともにチームの屋台骨を担う存在として、2024年はシーズンを通してプレーで、姿勢で、チームを引っ張っていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)