1軍野手が「『やばいな』となる雰囲気の選手がいない」 小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:米多祐樹】

初登板の育成・井崎を評価「あんな球を投げるとは思わなかった」

 ソフトバンクの2軍は30日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「第20回みやざきフェニックス・リーグ」最終戦でDeNAと対戦し、2-7で敗れた。先発の田中怜利ハモンド投手が2回4失点。3回2失点だった井崎燦志郎投手について、小久保裕紀監督は「あんな球を投げるとは思わなかった」と驚いた様子だった。緒方理貢内野手が3安打と気を吐いたが、得点は8回1死一塁、三塁で生海外野手の適時打で奪った2点のみに終わった。試合後の小久保監督の一問一答全文は以下の通り。

――育成の井崎投手が初登板。
「今日は井崎にビックリしましたよ。あんな球を投げるとは思わなかった。3軍でも102球ぐらいまで投げたことがあったらしくて。先発をずっとさせていたみたいで、今回は3軍の若田部コーチの方から『彼らに登板機会を与えてほしい』ということで来ていた。大竹にしろ、ハモンドはちょっと緊張もあったでしょうけど、井崎は高卒2年目でしょ? 良かったと思います」

――井崎投手はストレートとフォークのみ。
「スライダーがあまり良くないらしくて、1番今いいのがストレートとフォークらしくて。進学校(福岡高校)から入団なので期待度が高いですね。結構大事なんで。今日初めて投げているところを見ました」

――緒方選手が好調。
「バッティングも守備の送球もそうですけど、だいぶ良くなってきているんで、ちょっと面白いですね。足が速いですし。今日、最後にみんなに話しましたけど、秋のキャンプの印象、姿で、春のキャンプのアイビー(A組)スタートが決まるんで、この実戦を通して見てやろうと思ったヤツで期待外れのヤツ、『どうかな?』と思っていたヤツで見てみたいなっていうヤツが、はっきり分かれているんで。だから『残りのキャンプも、そこで全部決まるから、そのつもりで取り組め』って話をしました」

――フェニックスリーグでの収穫と課題は?
「収穫は大竹ですよ。一番抜けてましたから。まず、彼を今年のうちに実戦で見られたっていうのが多分一番の収穫だったと思うんで、見ていなければ、来年ピッチングコーチに『あれ面白いよ』という話にはならなかったので、一番の収穫ですよね。反省点は今の1軍にずっといる野手達が『これやばいな』ってなる雰囲気の選手がまだいないってところが課題かな。そんなに1軍の壁は低いもんではないんでね。高い壁ですけど、水谷も右の外野手がいないっていう中で、ずっとシーズン後半から、あまり大きな好不調の波がなく来てるんでね。あとは緒方のバッティングも収穫ですね」

――生海選手の打撃状態について。
「まだ型が見つかっていないんで。一本足にしたり、すり足にしたり、ノーステップにしたり、全然ピッチャーと勝負できてないですよね。自分との勝負なんで、自分の型が見つかった後に、初めてピッチャーとの勝負なんで。その辺はまだまだキャンプで『来年これで行こう』という型が見つかればいいでしょうし、見つからなければ……。みんなそうなんですけど、型が見つかってからが勝負。(僕も)1年目はやっぱりウインターリーグまで型が見つからなかった。僕も生海の時期だと、まだ見つかっていないので。僕はウインターリーグに行って『よし来年勝負できる』って思ってレギュラー取れたので。そういうものを何か見つけてほしいですね」

――感覚を見つけるには練習しかない?
「本当は実戦なんですけど、もう実戦が終わってしまったので。生海は多分ウインターリーグには行かないんで。(秋季キャンプは)個別に特化した練習になるらしいんですけど、生海の場合は打つ以外のところも(課題は)いっぱいあるんで、中途半端にバッティングだけさせるわけにいかんし、守備もやらないかんし。長打を打てる魅力がありますけど、全然荒削りで課題が多いですね。いくら時間があっても足りないタイプです」

――フェニックスリーグに最後まで残った意図は?
「こっちに戻ってきた理由としては、やっぱり実際僕が来年1軍の監督なんで、印象がよければチャンスが増えるわけじゃないですか。っていうので、最後まで見てやろうと思ってきたんですよ。それを選手がどこまで感じたかなっていうので、実際に目で見て決めるのは僕なんで。秋のキャンプで担当コーチ含め『この選手は来年アイビー(A組)からスタートでやらせましょうよ』って言って、名前が挙がるようなキャンプにしなさいという話をしました」

――フェニックスリーグのMVPは?
「緒方がずっと出たところではしっかりやっていたなっていうのはあります。今日ずっと、どのくらいメンバーがいるかなって計算していたんですけど、そこそこそれはすごい競争になると思うので、秋季キャンプを見てから決めます」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)