ふとした時の「笑顔がいい」、悩みを見抜く“パッと一言”…「小久保監督ってどんな人?」

ソフトバンク・笹川吉康(左)、仲田慶介【写真:福谷佑介、藤浦一都】
ソフトバンク・笹川吉康(左)、仲田慶介【写真:福谷佑介、藤浦一都】

仲田が心掛ける日常のゴミ捨て「ヒット1本お願いしますみたいな感じ(笑)」

 ソフトバンクは21日、来季の監督に小久保裕紀2軍監督が就任することを発表しました。2年間務めた2軍監督からの昇格。そこで鷹フルは「小久保監督ってどんな人?」と取材。“チルドレン”の筆頭といえる仲田慶介外野手は、厳しいイメージはもちろん「笑っているイメージ」があるそうです。指揮官からの教えで大切にしていることとは? 来季で4年目を迎える笹川吉康外野手も「僕は好きです」とストレートな愛情表現! 2人の目線から、新監督の人柄を紐解いていきます。

・仲田慶介外野手
――小久保監督はどんな人ですか?
「どんな人……。野球に対しては結構厳しいんですけど、優しいです」

――野球での厳しさはどんな厳しさ。
「自分のやるべき仕事ができていなかったら、結構厳しく言われます」

――逆に優しい一面とは。
「話しやすいというか、笑っているイメージはあります」

――仲田選手も気にかけてもらっている存在。
「期待してもらっている部分はきっとあると思うので、小久保さんの期待に応えたいっていうのはめちゃくちゃ思っています。何か悩んでいる時とかに、小久保さんからパッと一言、言われる時があるんですけど。それが助けになるというか」

――自分が悩んでいることを、監督も知った上で、何も言わずに助言をくれる。
「多分そうです。自分で良くなってるなって思うことがあったら、パッと言われたり。今日も『セーフティ(バント)のタイミングが良くなっている』って言われて。結構細かいところまで見てくださっていると思うので、すごくありがたいですね」

――ファーム日本選手権の後にはみんなでバーベキューもした。選手のモチベーションも上げてくれる。
「選手が良くなるためにどうしたらいいか、考えているっていうのはバーベキューの時も言っていたので。すごく選手思いな方だと思います」

――そういう人だからチームの士気も上がる。
「みんなそういう思いがあるんじゃないですか」

――心に響いた言葉は。
「『勝利の女神は細部に宿る』っていう。日常の行動で最後、野球の神様がどっちかに微笑んでくれる。だから普段の姿勢を大事にしなさいっていうのはすごく印象深いです」

――ペットボトルを捨てたり、スリッパを並べたりすることも気を付けるようになった。
「気を付けるようになりました。室内練習場にペットボトルがあったりしたら、自分で捨てたりするようになりました」

――捨てる時はどんなことを考えている。
「ヒット1本、お願いしますみたいな感じでやっています(笑)」

――改めて、小久保監督はどんな存在ですか。
「親みたいな存在ですね」

・笹川吉康外野手
――小久保監督はどんな人ですか?
「僕は去年の途中から2軍に参加して。3軍にいた時は(2軍が)結構雰囲気が堅くて、ベンチでも試合の雰囲気は重いみたいな話を聞いていて、2軍に行ったんですけど。それで怖い人なのかなって思って行ったんですけど。確かに、ニコニコではないですけど、全然怖いっていう感じではなくて。口数は少ないですけど、練習とかも選手のことを一番に思ってやってくれている実感があります。『ザ・監督』みたいなオーラですけど。僕は好きです」

――バッティングのことでもよく話をする。
「小久保さんは、あんまり自分からは話さないので。話さないというか、選手が求めて自分から聞いたらスッと答えてくれるんです。自分で解決できることとか。全部言うんじゃなくて、選手が悩んでいる、求めている時にパッと言ってくれるので。そこは相性がいいというか、言葉が響きます」

――よく選手を見ているのが伝わってくると、他の選手からもそんな声が多かった。
「恐ろしいですね。どれだけみんなを見ているのか……。そういうところも含めて、選手を見ているなって。僕ちょうど、朝考えてたんですよ。監督のことを。巨人とやるじゃないですか(取材日が巨人との試合があった10月15日)。ファーム選手権で監督賞も出たりして。僕がもし小久保さんの立場だったらとかも考えていました」

「侍ジャパンの監督もしていて、1軍の大きな舞台も経験しているのに、わからないですけど、2軍の監督じゃないですか。2軍になったらちょっと(自分なら)2軍の監督に全力を尽くせるかなっていうのを思っていたんですけど。2軍でもそうやって、真剣にやっているフリとかもできるじゃないですか。でも本当に、選手のことを考えてやっているんだなって。ファーム選手権でもそういうふうに感じて。すごいなって思っていました」

――ファーム日本一になった中で、小久保監督の存在も当然、大きかった。
「僕たちは緊張もしていたんですけど、小久保さんは変わらずに。緊張もほぐしてくれましたし、普段はあんまり試合に『勝つぞ』とか言わないので、ああいう時に朝に珍しくカツを入れてくれたりすると、こちらもいつもと違うというか。そこで『よっしゃ』ってやる気になるし、小久保さんが堂々としているので、僕たちもそれを見て堂々というか。平常心を持ってプレーすることができたと思います」

――モチベーションを上げてくれる。
「上手いです」

――日本一となり、監督の胴上げができた。
「結構硬い表情が多いんですけど、ああいう時の笑顔がいいですね」

――どんな存在ですか。
「すごい、オーラがあるというか『ザ・監督』というか。引っ張ってくれるし、いてくれて安心感もあるので。信頼して野球ができる監督です」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)