柳田悠岐「人生は甘くない」 2年連続で悪夢のような終戦…激白したキャプテンの責任

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・柳田悠岐【写真:荒川祐史】

延長10回に4点を奪われてサヨナラ負け…柳田悠岐も責任背負う「早めに点を」

 ソフトバンクは16日、ロッテとの「パーソル・クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第3戦(ZOZOマリン)に3-4で敗れ、2023年シーズンが終了した。最後は延長10回に4点を奪われてサヨナラ負け。キャプテンとしてチームを引っ張ってきた柳田悠岐外野手が、2023年を振り返った。昨季の終戦後には「そういう器じゃない」と語ったキャプテンの役職。2年目を終えて、語ったこととは――。

 最後までロッテは手強かった。相手先発は小島。初回、1死から川瀬晃内野手が左前打で出塁。2死一、二塁とするが、中村晃外野手が二飛に倒れた。6回1死からは柳田が左中間への二塁打。続く近藤健介外野手が右前打を放つと、柳田は三塁を蹴った。右翼の荻野からの返球は「ここしかない」というところで、頭から突っ込んだがタッチアウト。中盤で先制点を得ることはできなかった。

 9回を戦い、決着はつかず。延長10回2死二塁から、周東佑京内野手の中前適時打で先制する。続く川瀬晃内野手も適時三塁打。柳田も右前適時打と、一気に3点を奪ってみせた。しかし、その裏に津森宥紀投手が藤岡に3ランを許して同点に追いつかれる。すぐさま大津亮介投手にスイッチしたが、ロッテの流れを止められず、安田にサヨナラ打を浴びて終戦した。

 チームはレギュラーシーズンを3位で終えた。柳田自身は全143試合に出場して打率.299、22本塁打、85打点。2022年から個人成績はV字回復を果たしたが「そんなに改善しているとは思わない」と責任を背負った。オリックスの背中は遠く、3年連続でチャンピオンを逃したことが全てだった。ロッテとのCSでは3試合連続で打点を記録して存在感を示したが、終戦した今、柳田はこの結果をどう受け止めたのか。

「早めに点を取れればよかったんですけど。和田さんをはじめ、みんな抑えてくれていたので。早めに点を取れれば、勝てれたと思うので。そこは序盤、チャンスで回ってきて打てなかった。力足らずで、悔しい結果でした」

 2022年は「引き分け以上でリーグ優勝」という状況で最終戦を迎え、敗れた。今季もロッテが最終戦の勝利で2位を勝ち取り、CSでも1点に泣いて終戦を迎えることになった。2年間、あまりにも遠かった1点、1勝。2023年のシーズンを振り返り柳田は「去年、全然ダメで。休まずに準備をして、それで全試合に出るというのはよかったんですけど。今の自分の結果も納得できないです」と真っ直ぐに受け止めていた。

 昨季、オリックスとのCSに敗れた後、柳田はキャプテンという役職について「そういう器じゃなかったのかな」と本音をこぼした。今季が就任2年目。全てが終わり、今の心境は「変わらず。そういう器じゃないです」とキッパリと言う。3年連続でのV逸。「人生は甘くないので、難しいことがたくさんあると思います」と目線を下げて語った。

 キャプテンとして過ごした2年間が終わった。「少し休んで、来シーズンまたリベンジできるように準備したいなと思います」。間違いなくホークスは、柳田悠岐は、勝利だけを目指して全力で戦った。

(竹村岳 / Gaku Takemura)