7回にベンチはなぜセーフティスクイズを選択? 藤本監督が描いた“最悪のシナリオ”

本塁でアウトとなったソフトバンク・周東佑京【写真:竹村岳】
本塁でアウトとなったソフトバンク・周東佑京【写真:竹村岳】

7回無死一、三塁で無得点…甲斐拓也のセーフティスクイズは本塁憤死で失敗

 決死の作戦は実らなかったが、なんとか接戦を拾った。ソフトバンクは31日のオリックス戦(PayPayドーム)に1-0で勝利した。先発の和田毅投手が今季最長の7回を投げ切り、9回2死二塁から今宮健太内野手がサヨナラ打を放った。その中で焦点が当たるのは、7回の攻撃。無死一、三塁を作ったものの、無得点に終わった。試合後、藤本博史監督は「なんとか1点を取りたい気持ちで行ったんですけど、うまいこといかないですね」と振り返り、その意図を語った。

 相手先発は宮城。今季5度目の対戦となった。初回は2死から連打でチャンスを作るも、5番の中村晃外野手が空振り三振。5回は先頭の増田珠内野手が二塁打で出塁するも、後続が3者連続三振に終わった。最大のチャンスは7回。先頭の増田が左前打で出塁すると、すぐさまベンチは代走に周東佑京内野手を送った。

 続く打者はコートニー・ホーキンス外野手だったが、代打で嶺井博希捕手を送った。相手の犠打野選を呼び込むと無死一、三塁となった。絶好機を作ったものの、三森大貴内野手は空振り三振。甲斐拓也捕手は打席に入ると、初球からバットを寝かせた。打球が転がったのを確認してから、三走の周東はスタート。投手の宮城が本塁にグラブトスし、アウトとなった。

 藤本監督が理由に挙げたのは、直前の三森の場面。2球目に相手バッテリーにウエストされていただけに「スクイズかセーフティスクイズなんですけど、三森の時に1球外されていた。相手もそれを考えてくると思うので、セーフティスクイズにした」と説明。スクイズで三走をスタートさせてしまえば、挟殺でアウトという最悪のシナリオになってしまう。リスクを考えて、セーフティスクイズを選択したことを強調した。

「宮城もいいマウンドの降り方をした」と処理が素早かったと脱帽する。その上で「もう少しファースト寄りだったら、周東の足なら間違いなくセーフ。そこは技術なので、練習するしかないと思います。ファーストに捕らせれば100%セーフですからね。(宮城も)逆シングルだったらグラブトスできませんからね。しっかり練習してもらえたら」と、甲斐の犠打が投前だったことも失敗の要因に挙げていた。

 9回1死一塁で甲斐は一前に犠打を決め、今宮のサヨナラ打につながった。指揮官も「その後に最終回に送ってくれていたから」と感謝する。もちろん「今宮がよく打ってくれました。ヒーローは今宮でしたけど、和田もヒーローでしょう」と投打の2人も価値ある1勝の立役者だと語っていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)