虎の19歳左腕に抑えられ「去年まで高校野球。恥ずかしい」 小久保裕紀2軍監督のコメント全文

ウエスタン・リーグ阪神戦の7回、マウンドに向かったソフトバンク・小久保裕紀2軍監督(左から3人目)【写真:竹村岳】
ウエスタン・リーグ阪神戦の7回、マウンドに向かったソフトバンク・小久保裕紀2軍監督(左から3人目)【写真:竹村岳】

7回の投手交代では監督が自らマウンドへ「別に深い意味はない」

 ソフトバンク2軍は25日、ウエスタン・リーグの阪神戦(タマスタ筑後)に3-3で引き分けた。先発した大関友久投手は5回2失点。リリーフでは泉圭輔投手、古川侑利投手、尾形崇斗投手、笠谷俊介投手らが無失点に抑えた。打線は7安打3得点。5回2死二、三塁から水谷瞬外野手が3号3ランを放った。試合後、小久保裕紀2軍監督が取材に応じた。野手に対して「恥ずかしい」と言い放った理由とは? 一問一答は以下の通り。

――水谷瞬外野手が3ラン。
「打撃の状態は、この1か月くらいは練習からだいぶ変わってきましたね。(直前の)西尾があんな三振をした後だったから、負けなくてよかったし。西尾が飯奢らなあかんすね」

――良くなっている部分とは。
「自信があるというか、状態がいいから積極的に行けている。悪い時は球を見ようとして。今、タイミングの取り方は小さくなっていて、ステップが大きいところから、体重移動をあまりしないで、そのまま行くような打ち方。パワーヒッターができるバッティングなんですけど、それになんか自分で変えて。それから良くなっている感じですね」

「最初にステップしておいて、そのままちょっとだけヒールアップして打つっていう打ち方をしているので。そっちの方が合っているような感じはしますね」

「こないだ練習で僕が(打撃投手として)投げた時も、久しぶりに1軍の選手のフリー打撃やなって。10スイング中、6本か7本をホームランにしていた。それを普通って言ったらあかんのですけど、長距離打者なら当たり前なんですけど。久しぶりにそんなバッティングをしていました」

――7回2死一、二塁のピンチでは監督自らマウンドへ。
「投手交代の時は監督が行ってくださいと、NPBから言われているから。なるべく行ってくださいって。別に深い意味はないです。NPBに言われているからしているだけ。他球団の監督も、1軍の監督もしているじゃないですか。NPBに言われてしているだけです」

――尾形崇斗投手が9回に登板して2三振を含めて1回無失点。
「圧倒ですね、ファームでは。変化球の精度も上がっているし、一番1軍に近いというか。1軍で勝ちパターンに入ってもいけるんじゃないかくらいのピッチングは見せていますね、ファームでは」

――川村友斗外野手の状態が上がっていたと思うが、また少し落ちてきた。
「まあそんな、ずっと打てるものではない。昨日もライト前を打ったんですけど、ライトゴロになったので。でも今日のは、真っ直ぐが多い投手に対して(手首を)こねた形での一ゴロでしたけど。あれはあれでいいんです。あれをファウルにしたり、真っ直ぐを狙っているのにファウルとか。空振りとかよりは、前に飛んだ結果。まずそこからスタートなので」

「でも昨日(広島のドラ1・斉藤優汰)も今日(阪神2位の門別啓人)も、高卒1年目の投手ですよね。2人とも北海道(出身)で。北海道ってそんなええ選手多いんかなっていうくらい。まあ、というか、高校生(高卒1年目)に抑えられて恥ずかしいと思った方がいいですけどね」

「僕らはずっと1軍にいたので、高校生と対戦する機会はほとんどなかった。たまに来たら『ラッキー』と思っていたので。こっちの選手は、高校生と対戦するのは普通のことなので。あまり悔しくないみたいです。恥ずかしいですけどね、だって去年まで高校野球していたんですよ? 恥ずかしいなと思いながら、今日も見ていました」

――大関友久投手は5回2失点。
「大関はまだまだですね。今のままで上に行ってもきついと思います。要所、最後はちょっと力を入れて粘りは見せましたけど。2軍、阪神の選手がいいと言っても、前回もそうでしたけどけっこう簡単に弾き返されている」

「本人もわかっているので。もう少し出力が上がってこないと、コーナーをぴっちり突くようなタイプではないので。ある程度パワーピッチングができないと、通用しないとわかっているので。もがきながら、体力を回復させながら、筋力アップさせながら、球の強さを求めていますね」

――シーズンも終盤となってきて、戦い方に変化などはある。
「あと1か月くらいですからね。全部は勝つためにやっていないけど、7回以降は勝ち切ろうって話は去年からしているので。今日は本当は奥村に9回まで投げさせるつもりだったんですけど、あまりにも悪かったので。ちょっとそれは、個人というよりもチームを優先して変えましたけど」

「個人優先の時間というか、それがちょっと短くなるとは思います。9月に入って。その選手の成長のためもあるけど、関わっている選手は勝ちたいと(思っている)。ここまできて。あまりにも、選手というか、ファンを含めて、あまりギャップがないようにしようとは思っています」

――勝ちたい気持ちも伝わってきている。
「自分たちのコメントでも、そこは意識してやっているので。そういう戦い、去年も最後はそういう話をして。痺れる、負けられないくらいの時に、どういう仕事ができるかっていうのも彼らの自信につながると思うので」

――9回1死から代打で笹川吉康外野手が左中間二塁打を放った。
「今日もフリーバッティングが良くて。明日は4軍戦に行かなあかん。明日8時半出発なので。でも前回はサヨナラホームランを打っていた。前回は0%の期待やったけど、今日はちょっと期待しました。前回はまさか、誰も打つとは思っていなかった。1本打つと、出てくる。期待されてナンボですからね」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)