【連載・栗原陵矢】“仲良し”周東佑京は「変です」 距離が近いからこそ知る人間性

ソフトバンク・栗原陵矢(左)と周東佑京【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・栗原陵矢(左)と周東佑京【写真:藤浦一都】

「先に佑京さんが1軍で試合に出るようになって羨ましかった」

 鷹フルがお届けする主力4選手による月イチ連載、栗原陵矢選手の「8月前編」です。今回のテーマは仲の良さでファンにも知られている「周東佑京選手」について。日頃から過ごす時間が長い栗原選手だからこそ知る素顔が明かされます。次回連載は8月26日(日)に掲載予定です。

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 7月29日にPayPayドームで行われたロッテ戦で栗原は左膝の異変を訴えた。内角のボールを避けた際に違和感を覚え「左膝蓋下脂肪体の炎症」と診断された。同30日に出場選手登録を抹消され、8月16日に再登録するまで、ファームで治療、調整を行ってきた。

 栗原が1軍不在の間、代わって試合前の円陣の声出し役を指名していたのが盟友の周東だった。ただ、栗原から特に何かを言ったわけではない。「佑京さんがやり出したのも知らなかった。自然とやっていました」。初めは栗原も知らなかったのだという。

 今季、栗原が声出しの指名役を務めるようになったのは選手会長の今宮健太内野手からの指名だった。昨季まで指名していた松田宣浩内野手が退団して巨人に移籍。「特にやるつもりはなかったんですけど、健太さんに『お前やれよ』と言われたのでやることになりました」。“重鎮”がいなくなったことで指令が下ったのだった。

 不在の間に代役を務めた周東との仲の良さはファンもよく知るところ。練習中などでも、2人が一緒にいることは珍しくない。2014年のドラフト2位で入団した栗原は1996年7月4日生まれ。2017年育成ドラフト2巡目で入団した周東は1996年2月10日生まれで、学年でいえば周東の方が先輩になるが、その学年の違いを感じさせないほどの仲の良さが感じられる。

 ただ、周東の入団当初からすぐに仲が深まったわけではない。栗原は周東との初対面を「全く覚えていないです」というほどだ。距離が近づき始めたのは2019年頃。周東は俊足が買われ、開幕前に支配下登録を勝ち取って1軍デビュー。そのまま主に代走として102試合に出場して25盗塁を決めて脚光を浴びるようになった。この年、栗原の1軍出場は32試合止まりだった。

「先に佑京さんが1軍で試合に出るようになって(高橋)礼さんや甲斐野も1軍で活躍していて、それを見ていて羨ましかったのを覚えています。僕はまだ全然だったので」。自分より後にプロ入りし、一足先に1軍の主力になった周東や高橋礼投手、甲斐野央投手の姿を羨ましく見ていた。周東との距離が近づいたのもこの時期だった。

 同級生の甲斐野や高橋礼とは仲が良く、その2人を介して周東とも食事をともにするなど、一緒に過ごすようになった。「甲斐野とか礼さんと仲良くしていて、それで自然と仲良くなった感じですかね」。今では心を許せる存在の1人。「1番何でも話せますし、お互いがいい刺激をし合いながら、いい関係でいられていると思います」と言う。

 そんな周東の人間性を栗原は「変です。変ですけど、面白いです」とキッパリと表現する。「とことん気分屋です。僕は面倒くさがり。一緒にいても、この人は気分屋だなって思います。でも、その分、一緒にいてラクなんですけどね」。栗原曰く、周東は超がつくほどの“気分屋”なのだという。

 今季は悔しい思いを抱えてシーズンを過ごしている2人。左膝前十字靭帯断裂の大怪我から復帰した栗原はここまで打率.239、12本塁打47打点。周東はベンチスタートが多く、81試合の出場にとどまる。現在27歳。チームの中心として、引っ張っていく存在にならなければいけない時期に来ている。

「2人ともそう思っていますし、でも、まだまだそう言えるような成績でも何でもない。もっともっと頑張らないといけない。成績とともに引っ張っていけるように、とは思います」と栗原は思いを語る。人気も高い2人が、名実ともにチームの柱となることをファンも願っている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)