データの“深さ”を学んだサファテの一言 “負”の情報も大事…スコアラーに必要な信頼

  • 記者:竹村岳
    2023.05.25
  • 1軍
ソフトバンク・吾郷伸之チーフアナリスト【写真:竹村岳】
ソフトバンク・吾郷伸之チーフアナリスト【写真:竹村岳】

吾郷チーフアナリストの裏方の美学「信頼を得るための努力を怠らない」

 今や「スコアラー」と言う仕事はプロ野球球団にとって欠かせない仕事になっている。「僕らは(数字、データとの)“通訳”だと思っている」と表現するのが、ソフトバンクの吾郷伸之チーフアナリストだ。相手チームの分析の末に結果的にチームが敗れれば、選手の生活をも左右してしまう。選手のデータに対する価値観を把握するのも仕事の1つ。「信頼、信用」で成り立つというスコアラーは、どんなコミュニケーションを取っているのか。

 吾郷チーフアナリストは「“無”の状態でいかせない努力をどれだけするか」と、大切な意識を強調する。相手選手の得意、不得意を把握した上で対戦するのか、全く知識のない状態で対戦するのかは全くもって違う。「選手が(自分たちの情報を)信じてやってくれて、違ったら責任は感じますけど、それは常に僕らが続けていかないといけない」。伝える側のスコアラーが曖昧では、選手からの信頼は得られない。

 分析した結果が合っているか間違っているかは、試合の結果でしか確認できない。結果論でしか評価できないだけに、スコアラーの貢献度は曖昧でもある。だからこそ「『どう攻めればいいですか?』っていうのに対して、『いや……』って言ったら、もう聞かれなくなるじゃないですか。はっきりと答えて、間違っていてもいいからちゃんと伝えてあげること」と選手の迷いを消す努力をすることが重要だ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)