【連載・栗原陵矢】カッコ良すぎる満塁弾 “大好きなおばあちゃん”に届けた雄姿

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】

「いつも応援してくれていた」プロ9年目で初めて実現した祖母の生観戦

 鷹フルがお届けする主力4選手による月イチ連載、栗原陵矢選手の「5月後編」です。今回のテーマは「祖母に贈った格好良すぎるプレゼント」。4月27日にPayPayドームで行われた楽天戦。満塁弾を放ったこの試合、スタンドには幼少期から可愛がってくれた祖母の姿がありました。栗原選手の次回の連載は6月19日(月)から掲載予定です。

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 栗原にとって特別な感情を持って臨んだ試合だった。4月27日の楽天戦。理由の1つは、36年間ホークスを支えたグランドキーパーの徳永勝利さんの最後の試合。こちらは連載前編で触れたが、もう1人、活躍を見せたかった人が、PayPayドームのスタンドにいた。幼少期から誰よりも応援してくれていた祖母だった。

“大好きなおばあちゃん”の目の前で、栗原はドラマチックな一発を放った。両チーム無得点で迎えた6回1死満塁。左腕・鈴木翔が4球目に投じた真っ直ぐを捉えると、打球は右翼スタンドへ飛び込んだ。15試合ぶりの本塁打は先制、そして決勝の満塁弾。ヒーローとなり、お立ち台にも立つと、最後の勤務だった徳永さんをお立ち台に呼び寄せる粋な計らいも見せた。

 栗原の祖母は膝が悪く、さらに新型コロナウイルスの蔓延もあってなかなか遠出ができなかった。「ずっと応援してくれているおばあちゃんですし、毎日、試合はテレビで見てくれているらしいです」。栗原がホークスに入団してから、この日が初めての生観戦。家族と共に、地元・福井からPayPayドームに足を運び、孫のプレーを見守った。

 栗原の自宅と祖母の家は目と鼻の先にあり、栗原は子どもの頃、学校帰りによく祖母の家に寄り道していたという。「近くに住んでいたので、帰りにおばあちゃんの家に寄ったりしましたね。よくお小遣いをもらってました(笑い)」。小学校1年生の時に野球を始めると、祖母は常に応援してくれた。

 春江工時代やプロ入りしてから祖母が試合を生で観戦することはなかったが、孫を応援する気持ちは栗原にちゃんと届いていた。「いつも応援してくれていて、本当にありがたいと思いますね」。プロ9年目でようやく実現した初観戦で、満塁弾と劇的な勝利という、最高の結果を栗原は残した。

 試合後、母を通じて祖母から感謝のメッセージが届いた。栗原は「『本当にいいものを見せてくれてありがとう』みたいな感じでした」と恥ずかしそうに振り返る。格好良すぎる孫の姿に、きっと祖母も大喜びだっただろう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)