【連載・周東佑京】胸中激白「腹立たしい」「もどかしい」…WBC“後遺症”はあるのか?

ソフトバンク・周東佑京【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・周東佑京【写真:荒川祐史】

「悔しいじゃないですけど、腹立たしいじゃないですけど、もどかしいというか」

 鷹フルがお届けする月イチ連載、周東佑京内野手の「5月前編」です。全3回の1回目は「ここまでの成績」について。「悔しい。腹立たしい」という思いは、どこからくるのでしょうか。3月に出場したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が及ぼす“調整不足”もキッパリと否定し、胸中を明かしました。「中編」は11日正午頃に公開する予定です。

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 チームとして27試合を終えて、周東自身はここまで23試合に出場している。打率.211、0本塁打2打点、7盗塁。ここまでの個人的な成績については「悔しいじゃないですけど、腹立たしいじゃないですけど、もどかしいというか。そんな感じです」と感情を隠さない。具体的な点を「打つ方が全然ダメだなって感じています」と即答で挙げた。

 球界屈指の俊足が最大の持ち味だからこそ、打席内での「バランスが難しい」という。「打たなきゃいけないけど、まず塁に出ないといけない。ボールを見ていこうと思ったらストライクが来るし、打ちにいったらボール球を振ってしまっている」。塁にさえ出られれば、どれだけ相手に重圧をかけられるのかも分かる。打ちたい気持ちを抑えながら、自然体で結果を求めようとしているところだ。

 周東は3月に開催されたWBCに出場。本大会期間中は1打席しかなかった。帰国した後にチームに合流して2軍戦には出場したものの、調整が心配されながら開幕を迎えた。チームメートの牧原大成内野手は「左大腿二頭筋損傷」で離脱するなど、他球団のWBCに参加した選手も離脱や不振が目立っている。WBCの“後遺症”とも呼ばれる現状を、どう受け止めているのか。

「他の選手がどう思っているのかはわからないですけど、関係ないかなと思いますけどね、僕は。出たからどうのっていうのは感じていないです。逆に出たから今があるっていうのを感じているところでもあるので。『WBCに出たから調整が遅れた』とか、別に……って感じはします。ここまで試合もやって打席も立たせてもらっているので。今打てていないのは単に自分の技術不足だと感じています」

 大谷翔平投手(エンゼルス)を中心に、世界一に輝いた。短期決戦をともにしたチームメートを今も「気にはしていますよ」という。“WBCイヤー”だけに、出場選手には注目が集まる。「やっぱり記事にもなりやすいじゃないですか。WBC選手が……とか。『不振』とか、やっぱり目にすることがある」と続けた。そして、改めて調整不足についても否定する。

「そこ(WBCに出場した影響)がどうかっていうのは違うなって思っちゃうところはありますね」

 周東は4月29日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で右股関節を打撲。足の状態には「日に日に良くなっています」と手応えは感じている。初回1死、左中間の当たりで二塁を狙って憤死した。過去を振り返っても「珍しいです。2、3回しかないと思います。怖くてできなかった」というヘッドスライディングをしてまで、どうしても爪痕を残したかった。

「久々にスタメンで、いいところを見せたかったというか……。自分としても結果がほしかったですし、やっぱりあそこでセカンドまでいけるのが周東だなっていうのを思ってほしかったのはありました」

 4月を終えて、少しずつ野手の入れ替えも活発になり始め、今は中村晃外野手が1番に定着しつつある。「ダメだったら他の選手が出てくる。やっぱり結果を出さないと試合に出られないなってすごく思います」と競争が激しいホークスらしさを改めて痛感しているところ。自分自身の力で、もっともっと居場所を取り戻していく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)