17打数無安打でも正木智也は「落としませんよ」 藤本監督が語る今後の起用プラン

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

12日の日本ハム戦はベンチスタート「気持ちも萎えてきているようだし」

■ソフトバンク ー 日本ハム(12日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは12日、本拠地PayPayドームで日本ハムと対戦する。先発は東浜巨投手で、相手の先発は伊藤大海投手。試合前に取材に応じた藤本博史監督は開幕からいまだノーヒットが続く正木智也外野手の起用について言及した。指揮官のコメント全文は以下の通り。

――昨日は接戦をものにした。
「しんどい試合だったけどね、ああいう試合を取ったらまたチームも良くなっていくかなと。競り勝ったのは大きいですね。やっている方もしんどいですけど。長いシーズン、ああいう試合が何試合かあるでしょうからね。負けて暗くなるより、ああいう試合を取って次に入っていく方がいいですね」

――石川柊太投手は腰の張りだと。
「今日はだいぶ改善してるから大丈夫でしょう」

――ある程度大事を取った。
「あれ以上は無理です。あのイニングだけでも4キロぐらいスピードが落ちているんだから」

――伊藤投手が相手先発。
「難しいね。もう気持ちで入っていくしかないよね。もう本当いいピッチャー。去年もだいぶやられてるんでね。ある程度、みんなデータを見せてもらっているので、例えば絞り球を絞るとか、思い切って積極的にいくとか、いろいろアプローチはあると思いますけど、個人個人でミーティングをしているので。選手がしっかりと伊藤攻略に向けてやってくれたらいいんじゃないすか」

――正木選手の起用は。
「今日は出ないです。気持ちも萎えてきているようだしね」

――ちょっと早いですね。
「ちょっと早いね。まだ50打席のうちの15打席ぐらいだからね」

――気持ちの部分は見ていてもわかる。
「顔の表情が暗くなってきているから」

――もうちょっと1軍には置いておく。
「落としませんよ。まだ使いますよ。50打席使うと言ったら使いますよ。その中であいつがどういうふうに、ヒット1本で気持ちが変わるのか、1本打ってもその状態なのか。レギュラーを取るために頑張れっていうことでやってるわけですから。本人が頑張らないと。俺らがやるわけじゃないからね」

「そういうサポートはなんぼでもできるわけだから。打撃コーチを捕まえてバッティングするとか、若いし、疲れて打てませんっていう状況じゃないしね。まずはもうしっかりそこを乗り越えないとレギュラーってものをつかめないと思う。その壁を乗り越えてもらいたいですけどね」

――昨日は7回の守備から途中交代した。
「あの接戦の中で、試合に負けてもいいわけじゃないですからね。やっぱ同点で、守備のことも考えた上林の方が全然うまいですよ。右と左で、正木を右のレギュラーにと考えて使っているわけで。接戦になったら当然、守備固め。佐藤直もいるわけですから。その辺は代えます」

「3点、4点勝っている試合でね。最後までいくことはあると思いますけど。勝負どころだったら外野の守備は代えます。彼が打ってレギュラーになるなら最後までいくかもしれないけど。今はそれを目指しているわけですから。守備面も目を瞑ることはできないです」

――栗原選手は復帰してこれだけ打っている。
「去年のリハビリで1年間頑張ったんじゃないですか。当然、こっちも1年間やる中で疲れてきたら、昨日も言ったと思うけど、DHというところは近藤、柳田、栗原の3人の休み場所がDHと考えているんでね。試合を休ませるのが休みじゃないですから。やっぱり彼ら3人は絶対に必要だから、試合の中でスタメンにいてほしいわけですから。休みっていうのはDHと思ってもらえたらいいんじゃないかな」

――いきなりブランクを埋められる技術的な彼の強みは?
「彼に聞いてくれる? ずっとは見てきてない。去年1年間見てないもん。メンタルじゃないですか。明るさとか、ベンチでも一番声出してるし、野球バカになっているというかね。打てなくても元気だし、打っても元気だし、すごいいい雰囲気でやってくれているんじゃないかなと。それはメンタルしかないと思いますよ。打ったから鼻が伸びるわけじゃないし、もういつも同じ自然体でやってるからいいんじゃないですか」

――昨日も対戦経験のほとんどないピッチャーから打っている。
「バッティングとして軸がブレないからね。もう凡打したときも、ヒット打ったときも軸が全く一緒やから、だから打てるんじゃないかな。今は特にボールがよく見えてるんじゃないかなと思いますよ」

――以前より確率が上がるバッティング。
「はい」

――DHにするタイミングっていうのは?
「疲れた頃ですね。当然トレーナーから全員の情報を聞いてるんで。例えば、膝を怪我してその膝を庇うために逆の足が張ってますよとか、そういう情報があったら考えます。調子が良くてもDHに入れます」

「その辺は1年間うまく回して、中村晃も年齢的なところもあるし、ずっと出ているし、うまくDHを活用しながら。主力のところにはフルに出てもらいたいと思っているんで。試合の中で代走とかは出しますよ。スターティングメンバーでは出てもらいたいと思っているんで、そこはDHをうまく活用していきたいなと思っています」

――13試合で四球が去年より13個少ない。
「もうダブル斉藤コーチにこのキャンプでずっとそういうことを僕が言い続けてきたんでね。しっかりそれが伝わって結果出してくれていますよね。ダブル斉藤コーチのおかげです。和巳だけじゃないですからね、学もいますから」

――万波選手の出会い頭の本塁打は。
「出会い頭じゃないですよ。彼も良くなっていますから。いいバッターになってますから、今1番警戒するのは2番、3番、4番、5番ですからね。その中では野村くんが今は一番状態が悪いかなと思うけど、やっぱり一発あるバッターですからね。この4人は警戒しないと」

――その後ろには上川畑選手も。
「その辺はその4人よりかはホームランはないですから。みんな思い切ってくる。新庄効果じゃないですか。若い選手ばかりだから、あれだけ振られたら怖いですよね。ハマったらとんでもない打線になると思うんです」

――いやらしいこともやってくる。
「それは新庄監督の采配だから。こっちはそれを見破ればいいだけ。難しいけどね」

――モイネロ投手が戻ってきて昨日の順番が基本になる。
「斉藤和巳が言うのは先発投手は7回行ってもらいたいということを言っているんでね。当然、昨日は球数にしても早く代えているけど、あれは腰の張りだからね。今日の巨でも7回いってもらいたい」

「勝ってる試合の8回、9回を全部モイネロ、オスナでいっていたら潰れてしまうんで。どっちか休ませながら、又吉、津森、松本、嘉弥真というところを8回にハメるとかね。1年間、長いですから、うまく回していけたらいいんじゃないかなと思います」

――昨日もあれだけつないでも最後に津森投手が残しておけた。
「まあ11回は板東がいますからね。板東もそこに当然入ってきますから、いいピッチャーばかりですからね。より頑張ってもらったら、最高ですね」

(鷹フル編集部)