自分は6番手…“最後の椅子”だから感じた重圧 高橋礼が持てなかった「気持ちの余裕」

ソフトバンク・高橋礼【写真:竹村岳】
ソフトバンク・高橋礼【写真:竹村岳】

6日のオリックス戦で1敗目…7日に登録抹消で次回はファームで登板へ

 1つ黒星はついたものの、教訓が詰まった登板となった。ソフトバンクの高橋礼投手は6日のオリックス戦(京セラD)で今季初先発し、2回1/3を投げて4安打3四球3失点で降板した。「もっとストライクゾーンの中で勝負していかないといけなかった。チームがいい流れの中で今日のような投球をしてしまい、申し訳ない」と球団広報を通じてコメントし、7日には出場選手登録を抹消された。

 10日の投手練習で、本人の口からこの登板について聞いた。うまく表現できなかった部分を「高低を使えなかった。強い球はいっていましたけど、ちょっとコースを狙いすぎた」と振り返る。最速142キロを計測した球威には手応えを感じていたものの、操りきることができなかった。1回、2回と無死一、二塁をなんとかしのいだが、3回に失点したことから降板。2番手の板東湧梧投手も杉本に3ランを浴び、一気に主導権を渡してしまった。

 今だからこそ、原因だと理解できることがある。1軍と2軍との違いだ。オープン戦では1試合登板も、主にファームでの登板内容が評価されて先発6番手の座をつかんだ。「ファームではコース、コースにいけている気持ちの余裕もありましたし、その感じでいったんですけど。1軍だとそこのブレが大きくなった。真ん中で勝負するべきだった」と話す。打者のレベルの高さも、1軍ならではの重圧も、少しずつ自分を追い込んでいった。

 特に高橋礼にとっては“最後の椅子”を勝ち取って得た登板機会だっただけに、どうしても結果がほしかった。春季キャンプから激しい競争の中で開幕ローテーションの6番手を託された。裏を返せば、自分の立ち位置は6番手であり、ダメなら他の投手にポジションを奪われてしまう。印象を左右するシーズン1発目の登板に「そこまで強い気持ちではなかったですけど、それを生かすということに対するプレッシャーはありました」と認める。

 フォームの見直しに始まり、意識しているのはゾーンで勝負すること。コースが少しアバウトだとしても、打者に手を出させて、打ち取った打球をしっかりと野手に守ってもらうのが自分のスタイルだと再認識してキャンプから過ごしてきた。「球の強さで勝負しないともったいない結果になると思いました。スピードはクリアできている。次はコントロール。ゾーンで勝負して、高低をうまく使うこと」と課題を挙げる。

 斉藤和巳投手コーチからは「やっていることは間違いじゃない。ただそれがうまくできなかっただけ。継続していこう」と声をかけられたという。高橋礼自身は「僕はあまり人に言われて『確かにな』って思うよりは、自分もやっている中でそう思って、そう言われた時に『確かにな』って思う」と言い「僕も間違いじゃないと思いますし、プロに入って一番速いくらい平均球速が出ている」と納得の表情だ。

「もっともっと球速も上げたいし、ゾーンで勝負できるコントロールもほしい。正しい方向には向かっていると思います。日程が変則的ではありますけど、6番手を勝ち取った立場ではあるので、そのチャンスはしっかり生かしたいなと思いますね」

 登録抹消となったことで、次回はファームでの登板になる。この期間での調整についても「最後の方はフォームも崩れていたのでその見直しと、もう一回、1軍のあの場所で戦うということを、しっかりと自分の中で整理して。ゾーンで強い球っていうシンプルな考え方を整理したいです」と見据えた。表情に迷いは一切ない。必ず結果はついてくる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)