「映画でもクサいくらい」 “ダル―大谷”のリレーに小久保2軍監督も「野球ってすげえ」

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

ウエスタン・阪神戦に板東が先発して7回1安打無失点

 ソフトバンク2軍は22日、ウエスタン・阪神戦(鳴尾浜)で5-0で勝利した。先発した板東湧梧投手が7回1安打無失点の好投。佐藤直樹外野手、川原田純平内野手、井上朋也内野手が2安打を放ち、勝連大稀内野手が2打点と活躍した。試合後、小久保裕紀2軍監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――21日の13-12の試合とは、また変わった展開だった。
「そうやね。27人で終わると思ったら、28人やったね。最後を抑えていたら27人で終わりやったもんね」

――板東の内容は。
「6番目を争っているんでしょ? 今日の内容ならいいアピールができた内容だったと思います」

――7回で69球と少なかった。
「やっぱり早いカウントからすぐに追い込めるし、投手有利に進めていける。コントロールを乱してという心配はない投手ですよね」

――満塁のチャンスで点が入らない場面があった。
「ライナーの飛び出しで(5回1死満塁でリチャードが遊直、二走・川原田が飛び出して)あれはやっぱり良くないね。普通のシャッフルから戻ってゲッツーなら話は違いますけど。スタートを切ってしまっているので。正面でスタートを切るのは、シャッフルが合っていない。ヒットだと決めつけている。上(1軍)だったら大変、流れが変わってしまう。板東でその後も3者凡退できましたけど」

「4点リードから5点目が入らず、あのライナーゲッツーは川原田は反省するところでしょうね。川原田以外、みんなそうなんですけどね。そこの技術が劣っているので。シャッフルでタイミングを合わせることも、もっと丁寧に精度を高めてほしいですね」

――7回も満塁から押し出し四球で1点を取ったが、続くチャンスで野村大選手が併殺打。
「大樹があんなところで打たないと、1軍のアピールに近い選手なのに、あれくらいの投手なら最低でも犠牲フライは打てないと。ゲッツーじゃね。まあまあ、勝ちゲームでも反省点はありますよ」

――今日はミーティングで話したことは。
「特にないよ。今日で5試合連続で失策なので、早く止めてくれと選手に、逆に『重圧を与えておくわ。いつまで続けんの?』って話をしました」

――4回無死の場面で三塁・井上選手が悪送球。
「ジャンピングスローする必要のないところで、楽をする。足を使わない。元々腰高で足が使えない選手なので、すぐにああいう楽に走るので。今も試合が終わってからね、今年はビジターでもサーキットトレーニングを入れていきますけど。やっぱり、下が弱い、使えていないのは去年から見た課題なので。今年はああいうふうに地道にずっとやらせていきますけど」

――流れが変わることにもつながる。
「もちろん、もちろん、もちろん」

――佐藤直選手も好調。
「そうね。昨日からバッティングが自分の中で感触を掴めてきているんじゃないかなっていうね。脱力打法について話していないけど、バットの“出”がちょっとよくなった気がします。グッと入らずに、なるべく軽くしておいて出す。それは感じます」

――あとは右投手の強い球を打てたら。
「そうですね。まあまあでも、この2試合はいい内容で来ていると思います」

――WBCで日本が優勝した。
「最後、ちょこっと裏で見れましたけど、ネットで。役者が揃ったっていうか、こんなストーリーって映画でも考えたら、ちょっとクサいくらいの。なかなかないシーンでしたね。トラウトが最後で三振で、ダルビッシュから大谷にリレーなんて。でも本当に、本当に野球ってすごいなっていうか。栗山さんじゃないけど、すげえなって。昨日(メキシコ戦)のサヨナラ勝ちから含め、あのアメリカにアメリカの地で勝つわけですから。感動しました」

――メキシコ戦のサヨナラ勝利で流れがあった。
「1点を取られた後にすぐ村上のホームランで追いついたし、やっぱり投手力。1イニング、2イニングを継投でつないでいった日本の良さも出た。なんせ、ダルビッシュ、大谷でね。DHから“逆登板”って。あのイニングにバッターが回ってきていないのがまた面白いですよね。次の打席だったら直前までブルペンにいられないので。なかなか、同じ野球人でも感動しましたよ」

――WBC組の選手も帰ってくる。
「今シーズンのプロ野球界に期待されるところのハードルも上がったと思うので。我々は2軍ですけど、1軍の舞台にしっかり送り込めるようにやっていくしかないですね」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)

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