「あちらがペッパーなら、和風で」 増田珠が考案…鷹の新パフォに込められた意味は?

ソフトバンク・増田珠【写真:竹村岳】
ソフトバンク・増田珠【写真:竹村岳】

DeNAとのオープン戦に4-3で勝利…増田珠が2安打2打点の活躍

 ソフトバンクは17日、DeNAとのオープン戦に4-3で勝利した。「2番・左翼」で出場した増田珠内野手が2安打2得点。限られたチャンスで結果を残して「自分の感覚としては悪くなかったので、結果が出るか出ないかで左右されない思いで、今日も欲しがらずに自分のできることをと思って、試合に臨みました」と内容を振り返った。

 3回1死から左前打で出塁すると、続く柳田の右前打で一気に三塁へ。栗原の左犠飛で生還した。5回1死一塁では高めの直球を振り抜いて、左翼線に二塁打。柳田の2点二塁打でホームを踏み、接戦を制してみせた。後ろを打つ柳田からも「ガッツのある打席。自分も無駄にできない」と褒め言葉が出るほど。アピールに成功して、ほっと胸をなで下ろしていた。

 WBCの日本代表「侍ジャパン」では、ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)が考案した「ペッパーミルパフォーマンス」が大流行している。この日、増田珠は二塁上で片手で拳を握り、もう片方の手のひらにこするようなポーズをベンチに向かって決めていた。発案者は、なんと増田本人だという。少し照れ笑いで、経緯を明かした。

「あちらがペッパーなら“大根おろし”で、和風でいこうかと。特に意味はないんですけど(笑)。トレーナーさんからもアドバイスをもらって、大根おろしの方がいいんじゃないかなと。『洗濯板でもいいけどな』みたいな話もして。流行りに乗ってみました」

 人差し指と親指をこするようなポーズで「最初はこうやろうとしていたんです、塩で」と別案もあったそうだが、最終的には“大根おろし”になった。「僕がやる時はあまり流行らない」と苦笑いするが「僕が打つ以外で、皆さんがやってくれるように、流行らせたいですね」。結果はもちろん、塁上の仕草一つでさえ、増田珠にとってはアピールの場所だ。能力だけでなく、ムードメーカーとしてもチームに欠かせない存在になっていきたい。

 そんな姿勢を教えてくれた“師匠”と再会もした。14日から行われた巨人との3連戦で、昨季限りでホークスを退団した松田宣浩内野手と顔を合わせた。藤本監督が「覇気がない」と表現するほど停滞気味だった打線だが「ミスしようが何しようが、自分のアピールポイントである元気だけは。気持ちで萎える時も沈むんじゃなくて、奮い立たせて元気を出すことが松田さんから大事だと言われているので」と、追いかけてきた松田の背中が増田珠に声を出させてくれる。

 見据えているのは、逆転での開幕1軍だ。18日はデーゲームだが、17日にドームを後にしたのは午後11時過ぎ。「(活躍できた)その時は嬉しいですけど、次に向かってというところで、また明日の投手に対して準備をしっかりして。自分のできることをしっかりやろうと思っています」と前だけを見る姿が、増田珠らしかった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)