栗原陵矢が語る“対応”の重要性 OP戦3号ソロに見つけたシーズン完走のヒント

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】

巨人とのオープン戦で1-2で敗戦…得点は栗原陵矢の3号ソロのみ

 ソフトバンクは15日、巨人とのオープン戦(PayPayドーム)に1-2で敗れた。「3番・三塁」で先発出場した栗原陵矢外野手が1回2死、右翼席にオープン戦12球団トップに並ぶ3号ソロを放った。「真っ直ぐを打てたこと、左投手からいい打球を打てたことがよかったです」と手応えを語った。

 巨人の先発は新助っ人のメンデス。初対戦の左腕に「わからない投手だったので、映像を見た感じのイメージを持ちながら」と、144キロ直球にタイミングを合わせて振り切った。オープン戦打率.478という好調の要因を問われ「毎日、自分の打席での『やること』は変わる。構えもちょっとずつ変わっているのを自分でも感じています。その中でいいアプローチができている」と分析した。

 昨季に左膝の前十字靭帯を断裂する大怪我を負った。長い間試合から離れていたため、春季キャンプ中から必要性を感じていたのが、速球に対して目を慣らしていくことだった。オープン戦も9試合をこなす中で、この日の一発は「あまり真っ直ぐを打つ機会がなかったので、それも左投手というのもあまりなかったですし、それはよかったです」と、収穫十分の内容だった。

 さらに栗原が強調したのは「対応」の重要性だった。長いシーズン、調子の波も体調の変化も当然ある。「今日もアーリーワークで打ちながら、体の感じがいつもと違ったので。そこはちょっとこういう意識でというのは、考えてやっています」と、その日のベストを探しながらグラウンドに立っているところだ。左膝をはじめとした、身体との絶え間ない“相談”が結果につながった。

 スポーツ選手にとって大切なのは「再現性」であり、安定したパフォーマンスを発揮すること。栗原はその重要性もしっかりと理解しつつ「毎日同じスイングをしていると、1回できないと気持ち悪くなっちゃったりするかもしれない」と、対応することにも比重を置いてコンディションを整えている。昨季グラウンドに立てなかった悔しさを、今季はシーズンを完走することで晴らしたい。

(竹村岳 / Gaku Takemura)