小久保2軍監督が「非常に評価高い」 育成ドラ3ルーキーが見据える支配下への道

ソフトバンク・木村光【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・木村光【写真:福谷佑介】

投球の幅を広げるキッカケになったカーブ「冬の間に遊び感覚で投げていた」

 ソフトバンクのファームで評価を高めている大卒ルーキーがいる。昨年の育成ドラフト3巡目で指名され、佛教大から入団した木村光投手だ。8日にタマスタ筑後で行われた春季教育リーグの中日戦で4イニングを投げて2安打無失点と好投し、小久保裕紀2軍監督も「木村はもう今いる中で一番いいんじゃないかなっていう感じですかね。球は強いですし、ベース板でも強い。変化球もコントロールいいし、クイック速いし、守備は上手いし、非常に楽しみなピッチャーです」と絶賛された。

 宮崎での春季キャンプでB組として過ごし、日に日に評価を高めていた右腕。この日は先発した森唯斗投手のあとを受けて3回からマウンドに上がると、スコアボードにゼロを並べた。6回には2死から二塁打、四球、振り逃げで満塁のピンチを招いたが、4番の郡司を右飛に仕留めて無失点でこの日の投球を終えた。ピンチを招いても、堂々とした落ち着いたマウンド捌きが光った。

「4イニング投げさせていただいて、一番は楽しかったです。大学生時代にカーブはあまり使ってこなかったんですけど、最近そのカーブの調子が良くなってきて、結構使えるようになってきた。緩急つけたピッチングができるようになったのが今日の結果に繋がったかなと思います」と初のタマスタ筑後での投球を振り返った木村光。大学時代にはあまり使ってこなかったカーブを持ち球に加え、投球に幅が出るようになった。

 キッカケは育成ドラフトで指名されてホークス入団が決まったオフにあった。プロ生活を見据えて練習に取り組む中で、あることに気づいた。「チェンジアップを持っていたんですけど、チェンジアップよりカーブの方がなんか扱いやすいなって思ったんです。冬の間にキャッチボールとかでカーブを遊び感覚で投げていたら、結構いい感じになってきました」。ふとした気付きが、プロに入って投球の幅を広げてくれたという。

 もともとは野手だった木村光。投手としてはコントロールもそれほど良くなく、高校2年になるまでは外野手を本職としていた。高校2年の秋頃、右手の使い方などを見直したことが転機になった。「自分の『コレや』っていうのが見つかってコントロールが良くなったんです。そこから自分がピッチャーとしてちゃんと投げていけるようになりました」。格段にコントロールが良くなり、投手として成長していく契機になった。

 小久保2軍監督が「非常に評価が高いですよ。2軍では即戦力でございます」と、2軍の先発ローテ入りを明言された右腕。「育成選手なんで支配下っていうところを目標にやってるんですけど、2軍にいても1軍のバッターを見据えてやっていくことで、1軍に行ったときも活躍できるかなと思っている。しっかりそこを見据えて、怪我なくやりきるっていうことが今年の目標です」。楽しみな育成ルーキーのこれからに注目だ。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)