長谷川コーチだから言える「もっとやれることある」…競争掲げた中で選手に感じたこと

ソフトバンク・長谷川勇也1軍打撃コーチ【写真:竹村岳】
ソフトバンク・長谷川勇也1軍打撃コーチ【写真:竹村岳】

宮崎の全日程が終了…対外試合は1勝4敗で藤本監督「もうちょっといいところを」

 ソフトバンクは2日、宮崎市の生目の杜運動公園で行われていた春季キャンプの全日程を終えた。この日の「球春みやざきベースボールゲームズ」西武戦は1-3で敗戦。1か月超に及んだ宮崎での日々に、長谷川勇也1軍打撃コーチは「もっとやれることはあるんじゃないかなと思っています」と感想を話した。

 侍ジャパンと2試合、ロッテと2試合、そしてこの日の西武戦と宮崎での対外試合は1勝4敗に終わった。当然、結果が全てという時期ではない。それでも、藤本監督は「この3試合はとりあえずほぼノーサインでやって、もうちょっと見せてくれるかなっていうところはあったんですけど、なかなかいいものが見られなかったかな」と、どこか物足りなさげな表情だった。この日2安打を放ったのは栗原陵矢外野手のみ。特に野手からのアピール不足感は否めなかった。

 同調したのが長谷川コーチだ。今春のキャンプでは競争をテーマに掲げ、選手の気持ちを引き上げようとしてきた。「もっと、もっとやれることはあるんじゃないかなと思っています。選手はもっとできると思うので」と言葉を選びながら、選手同士の雰囲気を説明した。練習への姿勢なのか、練習の量なのか、考え方なのか、具体的には明かさなかったが、選手たちを見ていて思うことがあったのは確かなようだ。

「もっとできると思います。自分がうまくなるために何が必要かというところを、だいぶみんなできるようになってきたんですけど、もっとできると思います」

 もちろん、はっきりと言ったのは、選手たちを信じているから。長谷川コーチ自身、現役時代には圧倒的な練習量と若手を寄せ付けないほどの野球への姿勢で、自分だけの地位を築いた。時代は変わっているものの、今を生きる選手の姿を見て何を思うか。選手には突き詰めてやってほしいか、と問われて「そうですね、はい」と即答していた。

 2月26日の侍ジャパンとの壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」を終えた後に「あと1か月あるので、打てなかったからダメというわけではなくて、早くそのレベルに持っていけたら」とも話していた。宮崎での日々を終えて福岡に向かうバスに乗り込んだ長谷川コーチ。今度はオープン戦で、理想の打線を作り上げるために、選手とともに開幕を目指していく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)