9四球の反省は投手だけじゃなく捕手も… 渡邉陸が感じた責任「改善点見つけられない」

ソフトバンク・大関友久(左)と渡邉陸【写真:竹村岳】
ソフトバンク・大関友久(左)と渡邉陸【写真:竹村岳】

ソフトバンク投手陣は計9四球で8失点、マスク被った渡邉陸も「一緒に反省」

 ソフトバンクは25日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で野球日本代表「侍ジャパン」との強化試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」に臨み、4-8で敗戦した。投手陣が9四球を与えて8失点。昨季からの課題が改めて浮き彫りとなった。先発マスクを被った渡邉陸捕手も「投手と一緒に反省して、同じミスをしないようにしたいです」と振り返った。

 先発の大関友久投手は初回を無失点に抑えた。2回は村上宗隆内野手、近藤健介外野手に連続四球。結果的に3回無失点に抑えたが、大関自身も「自分の中での点数はあまり高くない」と語ったように、ボールが先行する場面が目立った。2番手の椎野新投手は4回に4点を失い、5回先頭の牧秀悟内野手に四球を与えたところで降板。4四球と結果を残せなかった。

 ホークスからは5投手が登板して計9四球だった。渡邉陸は6回までマスクを被り、結果論ではあるが、嶺井博希捕手が守った7回と8回に四死球はなかった。四球を減らすことは昨季から藤本監督が掲げてきたチームの課題でもあり、何度も言葉にして選手たちにも伝えてきた。「投手の考え方もあると思いますけど、やっぱり勝負していかないとアウトも出ない」と、渡邉陸も自分に言い聞かせていた。

 試合には流れがあり、四球を避けられない場面は必ずある。その日によって球種ごとの投手の感覚の違いもある。どの球なら扱えて、どの球なら勝負ができるのか。投手の技術やメンタルが大前提だが、捕手もコミュニケーションを取って、ともに試合を作っていかなければならない。渡邉陸も「難しかったですけど、そこをどうにか抑えていかないと」と、自分の責任でもあることはしっかりと理解している。

 大関は降板後に「怖がらずに攻めていくことが大事」と投球内容を振り返っていた。逃げるだけでは何も残らない。打たれるか、抑えるか。結果は必ず出てしまうものだが、“攻め”こそが成長のためにも大切なことだ。渡邉陸も「ああいう時は、かわしても一緒。攻めて打たれたなら『ああしよう』『こうしよう』って言えますけど、真っ直ぐも変化球もボールで四球なら改善点も見つけられない」。次回こそ勇気を持って、バッテリーとして打者に立ち向かっていきたい。

 甲斐拓也捕手が侍ジャパンに参加している今がアピールの大チャンスでもある。「投手も含めて反省して、オープン戦とかで同じミスがないようにしたいです。投手もきっとわかっていることだと思うので。一緒にやっていくしかないです」と渡邉陸。打力が持ち味だからこそ、甲斐という高い壁を越えていくためには、捕手として成長が必要不可欠。それを一番わかっているのが渡邉陸本人だ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)