城島健司氏が「いける!」と太鼓判 打率3割へ…今宮健太が挑む“打撃改革”

ソフトバンク・今宮健太にアドバイスを送る城島健司氏(左)【写真:竹村岳】
ソフトバンク・今宮健太にアドバイスを送る城島健司氏(左)【写真:竹村岳】

城島会長付特別アドバイザーが今宮と野村勇を精力的に指導

 ソフトバンクは2日、第1クール2日目を迎えた。城島健司会長付特別アドバイザーがアーリーワークから今宮健太内野手、野村勇内野手に打撃面でアドバイスを送った。今宮は昨季わずかに届かなかった打率3割に「(城島さんからも)『いける!』って言われるんですよね。いきたいですよね」と言葉を送られたことを明かした。

 今宮はこれまでの打撃を「めちゃくちゃ前さばきだった」と表現する。昨年は大振りしない意識を形にして、打率.296とキャリアハイの数字を残した。長くボールを見ることもできるようにはなってきたが、わずかに届かなかった3割の節目。今宮なら到達できると城島アドバイザーは確信している。「もう一つレベルアップするために」と、力を借りることになった。

 意識しているのは、右足の使い方だ。教えのイメージについて「母指球が地面から離れないように。体が回りすぎても離れちゃうし。ボールを長く見ることを意識して」と言葉にする。狙いは、打つポイントを近くすること。NPB通算打率.296、244本塁打、MVP1度など「スーパーキャッチャー」と呼ばれた城島アドバイザーの打撃を吸収しているところだ。

 目指しているのは「飛距離の増加」などといった豪快なものではない。今宮自身、外角に苦手意識があったといい「このボールをファウルにしたかったというところを、空振り三振が多かったので。ファウルで1球でも2球でも逃げられれば、チャンスも出てくる」と教えをどう具現化していくかはイメージできている。

 城島アドバイザーはNPBでのキャリアの中で、シーズン最多三振は1998年の67三振だった。長打力が魅力の選手では少ない数字だ。今宮は2014年の104三振が最多で、昨年は71三振。簡単に打ち取られない打者になることが、打率3割への道筋だ。「こういう打撃ができれば波も少なく、いい結果が自然と出てくる」と手応えをしっかりと感じている。

 藤本監督も「(城島が)昨年の納会のパーティーのときから『(野村)勇と今宮を見させてもらっていいですか』と。城島は元々、インサイドインのバッター、窮屈に打つバッターですから。今宮と野村勇には合うんじゃないか」と取り組みを評価した。近藤健介外野手の加入で左打者が厚くなっただけに、右打者の成長が2023年の打線の鍵を握っている。

(竹村岳 / Gaku Takemura)