鷹が15歳の“外国人選手”を獲得する理由 GM語った世界戦略「積極的に来てもらう」

ソフトバンクの入団会見に臨んだホセ・オスーナ(右)【写真:藤浦一都】
ソフトバンクの入団会見に臨んだホセ・オスーナ(右)【写真:藤浦一都】

ドミニカ出身の15歳が入団会見 三笠GM「今年の有望な選手」

 ソフトバンクの新外国人のホセ・オスーナ外野手が本拠地PayPayドームで入団会見に臨んだ。右投げ右打ちで、ドミニカ出身の15歳。ここまで若い選手を獲得した狙いについて、三笠杉彦GMは「今年から4軍制というのと、日本のみならず世界中からの選手に、ホークスの環境で頑張ってもらう。そういう観点で、僕らのスカウトが今年の有望な選手だと(判断した)」と明かした。

 昨年のマルコ・シモン外野手、フランケリー・ヘラルディーノ内野手に引き続いて、10代の外国人選手を獲得した。しかも、高校1年生にあたる15歳だ。外国人選手といえばこれまで「助っ人」と呼ばれ、即戦力というイメージだった。ホークスは外国人選手をも、自前で育成しようとしている。三笠GMも「切磋琢磨する環境が一番大事」と、具体的に今後のビジョンを語った。

 昨年12月、笠谷俊介投手や田上奏大投手がプエルトリコへ、風間球打投手らはオーストラリアでウインターリーグを過ごし、経験を積んだ。日本とは違った環境でプレーすれば、おのずと顔つきも変わる。三笠GMも「みんな本当に『すごくいい経験だった』と言っていた」と、海を渡った選手の思いを代弁する。大切だと強調したのは、変化を恐れずに、常に前だけを見て進み続けることだ。

「切磋琢磨する環境が一番大事だと思っていますので。選手が一番刺激になって成長するには、高いレベル、同年代の素晴らしいプレーを見て、これより上にいきたいとか、こういうバッターを抑えたいだとか。そういう意味でホークスでプレーしたいと言ってくれる選手で、そのレベルにある選手は積極的に来てもらって。環境が強化につながると信じてやっています」

「4年目、5年目で活躍してもらうのがパターンかな」

 選手の“マンネリ化”を招けば、成長もそこで止まる。成長できるだけの施設、そして現状に満足せずに常に競争を求められる環境を用意することも球団の使命だ。「若い選手にきてもらう中で、日本の野球をしてもらうのは少しずつ根付いてきている」。国籍も年齢も関係なく、刺激を与え合う。外国人選手の「育成」という面においても、ホークスは球界の先頭を走っている。

「日本で言う高卒相当まではしっかり見ながらも、4年目、5年目で活躍してもらうというのが基本的なパターンかなと。成長して支配下で1軍で活躍できる可能性はあると思っています」

 オスーナ自身が持ち味を「長打を打てること。あとは守備にも自信を持っています」とアピールすれば、三笠GMも「日本人でいうと、秋山幸二さんみたいな。トリプルスリーを達成するような選手になってもらいたい」と紹介した。球団が掲げている「目指せ!世界一」を象徴するような獲得。世界一も10連覇も、ホークスは本気で見据えている。

(竹村岳 / Gaku Takemura)