「体力強化」の松田と「技術が基本」の内川…増田珠が体現したい2人の師からの“教え”

松田宣浩との自主トレに参加しているソフトバンク・増田珠【写真:福谷佑介】
松田宣浩との自主トレに参加しているソフトバンク・増田珠【写真:福谷佑介】

「ずっと内川さんのところにいかせてもらっていたので」松田との自主トレに初参加

 2人の師の“イズム”を吸収して、必ず飛躍につなげる。技術と体力の2つを追い求め、今季が6年目だ。ソフトバンク・増田珠内野手が明かしたのは、松田宣浩内野手(巨人)と内川聖一内野手(大分B-リングス)の自主トレの違い。「ずっと内川さんのところにいかせてもらっていたので。本当に真逆な自主トレというか。新鮮でした、すごく」と汗を拭った。

 シーズンへの備え方は人それぞれ。互いの過ごし方を増田もリスペクトした上で、「内川さんの自主トレは技術が基本なので。技術練習が多いんですけど。松田さんの方は体力強化というか。メンタル含めそういう部分をすごくみっちり1週間できたのはよかったと思います」と語った。

 松田との自主トレは今回が初参加。シーズンを完走するためのトレーニングがメインで、増田も「逃げ道がない。抜くに抜けない」というほど厳しい日々だ。技術よりも体力面に重点を置く意図を増田は「松田さんもおっしゃっていたんですけど、これだけ追い込めればシーズン中の負荷はこれ以上かかってこないので。これに比べれば回復するスピードも上がる」と代弁。昨年にプロ初本塁打を放ったときには「マスオ!」と拳を突き上げたた。入団時から“熱男”の後継者として期待をかけられてきたが、憧れの先輩の自主トレはとにかくきつかったようだ。

 増田は2019年の自主トレで内川に弟子入り。チームメートの上林誠知外野手や、カブスの鈴木誠也外野手らとも同じ時間を過ごしたことがある。その自主トレを「技術練習が多い」とボールを使った練習が多かったと振り返る。通算2186安打のヒットマンらしいシーズンへの備え方で、オフでも自身の技術を向上させる姿勢は不変だった。昨季限りでNPBでの現役生活を終えたが、その教えはきっと、今も増田の中で生き続けている。

「(松田さんとの自主トレは)本数もすごい量ですし、トレーニングとかも本当にきついので。ウエートもガンガン追い込むので。その中でどれだけ自分と戦えるかというところでメンタルも強化できました。朝のランニングとかも、長距離とかも抜けるところもあると思うんですけど、そういうところでなんとか自分を追い込んで。しっかり走ることができたので」

 昨年は15試合出場と、キッカケはつかんだはず。体力をつけてシーズンに飛び込む松田と、オフでも技術練習を一切怠らない内川。2人から教わったことを、結果を出すことで最大の恩返しにする。

(鷹フル編集部)