元鷹左腕の監督も信頼「彼は天才」 いきなり2安打1打点…ホークスJr.の逸材小学生

「4番・一塁」で出場したホークスジュニア・大庭章生くん【写真:川村虎大】
「4番・一塁」で出場したホークスジュニア・大庭章生くん【写真:川村虎大】

「外角が多かったので」…配球読み、流し打ちで先制二塁打を放った大庭章生くん

 27日に開幕した小学生の軟式野球大会「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2022」で、ホークスジュニアの“主砲”が躍動した。横浜スタジアムでの1回戦でタイガースジュニアに2-4で敗れたが、「4番・一塁」で出場した大庭章生(おおば・あきお)くんは先制打を含む3打数2安打1打点。帆足和幸監督も「彼は天才なので大丈夫です。信頼しています」と話した。

「狙った球をとらえて打つのが得意です」。そう話す大庭くんの第1打席は、まさに“狙い通り”だった。「投手は外角が多かったので……」。初回2死二塁で外角の直球を逆らわずに左翼線にはじき返し、先制の適時二塁打に。塁上で“熱男ポーズ”を見せると、4回先頭で迎えた2打席目も2球目を中前へ運んだ。

「外角を綺麗にレフト方向に打てたと思います。(初打席で適時打が出て)気持ちが楽になりました。(熱男ポーズは)塁に出たら小さく、ホームランが出たら大きくやるとチームで決めていました」

 打席内で冷静に狙い球を絞る姿は、西武とソフトバンクでNPB通算90勝を挙げた帆足監督も一目置く。「バッターボックス内でも雰囲気がありますし、ボールの待ち方も素晴らしい。しっかり捉える能力もあります」と称賛。「本人も自分で『天才』って言っているので(笑)。信頼しているので大丈夫です」と頼りにする。

 憧れは、ソフトバンクの主砲・柳田悠岐外野手。「本塁打をたくさん打つところ」が好きだと言い、自らも4番として長打を狙う。一方、課題は守備。所属チームでの本職は投手と捕手で、一塁は以前ついていたポジションだった。失策を1つ記録し、帆足監督も「(打撃に比べ)守備はまだついてきていないので、頑張ってもらわないと」と奮起を促す。

 決勝トーナメント(29日、神宮球場)に進出するには、29日のカープジュニア戦に大勝し、1勝1敗となった球団の中で平均得失点差率であるTQB(Total Quality Balance)で1位になる必要がある。帆足監督も全幅の信頼を置く“鷹の4番”が、崖っぷちのチームを救ってみせる。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)