今宮健太の大活躍にあった“熱男効果” 怪我なく戦えた要因「松田式トレ」とは?

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・今宮健太(左)と巨人入団会見の際の松田宣浩【写真:福谷佑介、荒川祐史】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・今宮健太(左)と巨人入団会見の際の松田宣浩【写真:福谷佑介、荒川祐史】

練習開始前にまずウエートトレーニング「筋力が落ちることなく」

 21日に今季から1000万円増の年俸3億円(金額は推定)で新たに2年契約を結んだソフトバンクの今宮健太内野手。契約で定められた一定の条件をクリアすれば、自動的に3年目の契約が延長されるオプション付きで「正直ありがたすぎる契約だった。凄くいい評価をしてもらったので、恥じないようなプレーでまずは2年、しっかりチームに恩返しできるようにと思います」と球団に感謝していた。

 2009年ドラフト1位で明豊高からソフトバンクに入団して今季が13年目。近年は故障が続き、シーズンを通しての活躍がなかなかできなかったものの、選手会長となって迎えた今シーズンは130試合に出場。不動の遊撃手の座に返り咲くと、打撃面での成長を見せて打率.296をマークし、7本塁打47打点と好成績を残した。今季は新型コロナウイルスの濃厚接触疑いによる1週間ほどの離脱はあったものの、大きな故障離脱はなかった。

 怪我なく1年戦い抜けた要因には、食事面やケアなども欠かせないが、今宮自身が挙げたのが“松田宣浩式”のトレーニングだったという。松田といえば、32歳だった2015年から5年連続で全試合出場を果たした“鉄人”。今宮は「あれだけ怪我しない人ですから、まずは真似をしようと」と、松田が行っていたシーズン中のルーティンを取り入れたという。

 それが試合の全体練習前に必ずウエートトレーニングを行うこと。「試合前に来て、ウエートトレーニングを最低限のものだけはして、グラウンドに出るっていうようなところを真似させてもらった」。シーズン中はどうしても体が疲労で疲れてくると、トレーニングの量が落ちがちになる。日々プレーしていてもシーズンが進むにつれて筋量や体重が落ちていく。少しずつ体の中に変化が生まれ、怪我に繋がることもある。

 そうならないようにと、シーズン中も筋肉に刺激を与えて体を鍛えた。シーズン中にパワーアップさせることが狙いではなく、筋量を保ち、パフォーマンスとコンディションを維持するためで「結果的に体の動きだったり、いろんなところですごくいいところが多々あった。最初の動きが全くもって変わったところもありますし、筋力が落ちることなくシーズンを終えられた」と効果を実感した1年だった。

「それが大きな怪我なくやれた要因だったのかっていうのは正直分からないところはあるんですけど、いいところが多々あったので、それは継続してまたやっていきたい」と言う。来季もチームリーダーとしての活躍が求められる今宮。“松田式”を継続し、更なるキャリアハイを求めていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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