ベストナイン受賞も「納得してもらえる選手じゃない」 甲斐拓也が明かした複雑な胸中

野球教室「ベースボールキッズ2022」に参加したソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】
野球教室「ベースボールキッズ2022」に参加したソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】

26日は地元・大分で「ベースボールキッズ2022」に参加

 ソフトバンクは26日、野球教室「ベースボールキッズ2022」を開催した。23日の沖縄、山口に続き、この日は九州各県で選手たちが、キャッチボールやストラックアウトなどを通じて子どもたちと交流。大分県では甲斐拓也捕手や川瀬晃内野手、高橋礼投手、牧原巧汰捕手、育成の中村宜聖外野手が約250人の子どもと触れ合った。

 地元の大分で3年ぶりに対面での野球教室を行った甲斐。キャッチボールで子どもたちと触れ合い「野球教室をやって、子どもたちって純粋に野球を楽しんでいるなと。僕たちもこの気持ちが大事なんだろうなって感じました」と、自身に言い聞かせるように語った。

 今季は130試合に出場しながらも、打率.180と低迷。チームも優勝を目前にしながら、最終戦でオリックスに頂点を奪われた。甲斐自身、扇の要として責任を痛感。「言い訳をするつもりもないですし、今年は仕方がないというつもりも全くない。これを実力として受け入れないといけないですし、受け入れてやっていかないと、自分がどんどん落ちていくと感じている」と悲壮な思いを口にする。

 25日の「NPBアワード」でベストナインを受賞したものの、その表情に笑顔はなかった。低迷した成績で選ばれたことへ、戸惑いがあったのも事実。「納得してもらえるような選手じゃない。自分が1番よく分かっている。納得してもらえるような選手像を作りたいなと思います」。2022年の甲斐拓也に1番満足していないのは、甲斐拓也自身なのだ。

「20代前半のつもりでガムシャラに怪我を恐れず、怪我したらしょうがないという気持ちでやりたいと思います」。来季こそは何も言わせない成績を――。その覚悟を胸に、オフを過ごしていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)