今宮健太が来季目指す更なる“進化”とは？　今季はキャリアハイも「より力強さを」

ソフトバンク・今宮健太【写真：伊藤賢汰】
ソフトバンク・今宮健太【写真：伊藤賢汰】

「コンパクトにっていうところは忘れずにやっていきたい」

　今季キャリアハイとなる成績を残し、選手会長としてもチームを牽引したソフトバンクの今宮健太内野手は、18日まで宮崎で行われていた秋季キャンプにも志願。参加して若手たちに交じって汗を流した。来季に向けた更なるスケールアップ、進化を目指すためのキャンプ参加だった。

　今季の今宮は130試合に出場し、打率.296、7本塁打47打点。3割に迫った打率はキャリアハイで、出塁率.352もプロ13年目で最高の数字となった。キャンプ中からコンパクトなスイングを心がけ、体を振ってしまう悪癖を修正。一発への欲求を捨て、バットを体の近くを通すスイングをシーズンを通じて続けた結果、確実性が生まれるようになった。

　リーグ優勝奪還を狙う来季に向けてより一層の進化を目指す。秋季キャンプでも取り組んでいたのが、コンパクトなスイングで、より一層の力強さを出すこと。「（今年）やってきたものを力強くする。そういうことになっていけば、自然と長打であったりに繋がってくるのかなと思う。コンパクトにっていうところは忘れずにやっていきたい」。確実性をそのままに、長打力を増すことが来季目指すところだ。

　決して大振りにするわけではない。「振り過ぎると、体を振っちゃう。体を振るイコール、バッドが体から離れるっていうような形にどうしてもなっちゃう」。それでは昨年までの自分へと逆戻りになる。コンパクトかつ力強く。「体から離れることが少なくなってきたのかなっていうところは感じたりはしてるので、それが一番ベスト。そこを求めてやっていきたい」と方向性は見えている。
　
　今季はホームランへの欲求も捨てていた。シーズン中盤まではわずか1本塁打。だが、新たな打撃フォームが体に染み付いてきたからだろうか。8月、9月で計6本塁打を放った。「今年に関しては、ホームランを打てたらいいなっていう欲すら捨てたシーズンだった。その結果が良かったのかなっていうのは感じている。結果的に（増えればいい）と思っていますけど、そこを意識しすぎると良くないですから」。チームを牽引する今宮の打撃がさらに進化を遂げれば、その分、チームもリーグ優勝に近づけるはずだ。

（福谷佑介 / Yusuke Fukutani）