12日間でブルペン10回&実戦1試合 杉山一樹が“1500球”に込めた覚悟

ソフトバンク・杉山一樹【写真:伊藤賢汰】
ソフトバンク・杉山一樹【写真:伊藤賢汰】

オフも“ほぼ毎日ブルペン”は継続「休んだら忘れてしまう」

 ソフトバンクの杉山一樹投手が、来季に向けての覚悟をにじませた。宮崎キャンプ第4クール2日目となった17日、このキャンプで10度目のブルペン入り。約70球を投じて「投げないと覚えないこともあるだろうし、実戦により近い形で覚えようかなという感じで入っていました」と心中を語った。

 3日に始まった宮崎での秋季キャンプ。13日に行われた巨人との練習試合でも1イニングを投げた。翌14日こそ投球練習を行わなかったが、“ほぼ毎日”ブルペンへ。徹底的にボールを投げ込んでフォームと感覚を体に染み込ませてきた。キャンプ期間中の球数は1500球を超えたといい「僕なりの手応えはありますし、以前よりはコントロールする、コマンドできるようになってきた」と実感している。

 このキャンプでは斉藤和巳1軍投手コーチからの教えもあり、軸足でしっかり立ち、投げ終わったあともしっかり1本足で立つことを意識してきた。「軸が僕は全部ズレていた。キャッチャーに対して投げる体勢じゃないまま投げていたので。キャッチャーの的に向かって投げ続けないと、僕の場合はダメ」。より実戦に近い形での投球を求めて投げ続けた。

 今季は10試合に登板するも、なかなか制球が安定せずに苦しんだ。1勝3敗、防御率は6.80。42回1/3を投げ四球は26個を数えた。「いろいろなアドバイスをシーズン中も聞きながらやって、自分自身、迷子になってしまったというか……。どうしたらいいんだろうと、後半はそんな感じだった。変わるならもうキャンプしかないと思った」。自分を変えるため、このキャンプに臨んだ。

 オフもこの“ほぼ毎日”投球練習を継続する。「休んだら忘れてしまうタイプなので。体は元気なので、投げ続けたいと思います。筑後でも、ドームでも、誰かと一緒に。とにかく(マウンドの)傾斜に入ってやらないといけないので。そこは考えながらやりたいと思います」と杉山。その表情はスッキリしていて、迷いも消えた。このオフ、これと信じた道を、杉山は突き進んでいく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)