秋季キャンプはキャッチャーで 谷川原健太が目指す“究極のマルチプレーヤー”

ソフトバンク・谷川原健太【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・谷川原健太【写真:福谷佑介】

「外野をできるのは分かったから、キャッチャーのレベルを上げてくれ」

 8日に結婚したことを発表したソフトバンクの谷川原健太捕手。キャンプ休日だった7日に宮崎市役所に婚姻届を提出し、人生の伴侶を得ることに。チームメート達にも報告した8日の練習後には「僕だけの人生じゃなくなったんで、家族のためにもここからレギュラーを獲って裕福な暮らしをさせたいですね」と気持ちを奮い立たせていた。

 谷川原といえば、捕手でありながら高いレベルで外野手もこなすユーティリティプレーヤーとして知られる。その強肩は日本ハムの新庄剛志監督も一目置くほど。今季は新型コロナウイルスの陽性者が続出した際に“筑後ホークス”と称された若手の1人として、チームの苦境も支えた。

 この秋のキャンプでは捕手にウエートを置き、練習を重ねている。これまでは主に外野手としての練習が多かったが、秋季キャンプからは的山哲也バッテリーコーチのもとで捕手の連日ハードな練習をこなしている。

 究極のマルチプレーヤーとして出場機会増を狙う。肩の強さも然り、外野の守備に関してはハイレベルで守備固めとしても起用されてきたほど。その力を認められたからこそ、この秋は「外野はある程度できるのが分かったから、キャッチャーのレベルを上げてくれ」との首脳陣の意向で、捕手としてのレベルアップを図ることになったという。

 10月末まで行われていたフェニックス・リーグでは最後のクールに合流すると、3試合連続で安打を放った。シーズン中から長谷川勇也打撃コーチと取り組んできたことが形になりつつあり、手応えを掴んだ。秋季キャンプでも打撃面ではこれを継続。「自分がやっていることを固めるキャンプにしたい」と語る。

 多くのポジションを守れるマルチプレーヤーぶりに「自分の武器でもありますし、幅が広がれば出場機会も自ずと増えてくると思う」という谷川原。「まずは打たないと出られないというのは分かっているので、やっていることを固めたい」と、打撃と捕手力を磨く秋にする。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)