藤本監督も目細める打撃「レベル違う」 復帰した栗原陵矢が埋める“松田の穴”

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】

秋季キャンプのテーマの1つは専念するサードの守備

 ソフトバンクの栗原陵矢外野手が充実の秋季キャンプを送っている。左膝の前十字靭帯損傷の怪我を負ってから7か月。宮崎で行われている秋季キャンプでは1軍に部分合流して打撃に、守備にと、汗を流している。

 久々にチームに合流し「率直に嬉しかったですし、やっぱりみんなと野球をやれるっていうのがすごい新鮮でしたし、なんか張り切ってやっています」と笑顔を浮かべる栗原。多くの選手が汗を流すキャンプ地でもやはり注目度は高い。ファンからの多くの声援に「いい緊張感を持ちながらできてますし、改めてファンの方の応援というか、そういうのがすごいありがたいなと思ってやってます」と言う。

 まだ左膝の状態は完全とは言えない。違和感、不安を抱えながら、徐々に状態を上げようとしている。「やっぱり数多く打っていると、少し疲れてくるところもありますし、そういう意味ではまだまだ70%、80%ぐらいかなと思っています」。まだ万全ではなくとも、打撃練習の内容には違いが。藤本博史監督も「この中で打ったらレベルは違う」と目を細めていた。

 この秋季キャンプでの大きなテーマの1つは来季、専念するサードの守備。「やっぱり松田さんの穴っていうものが自分の中ではすごい大きいと思いますし、その穴を少しでも埋めたいなという思いと、あとはやっぱり元気を出しゲームの中でやりたいなっていう思いから」と自らサードコンバートを志願し、このキャンプでは守備力のアップも目指す。

 ここまでの2日間は今宮健太内野手と“来季の三遊間”コンビでノックを受け、松山秀明1軍内野守備走塁コーチ、今宮から守備に関するアドバイスを貰っている。ポジションこそ違えど、今宮の守備はお手本になるだけに「僕自身サードっていうものはほとんどやったことがないので、今宮さんの守備っていうものは少しでも盗めるものがあると思う」と貪欲に学ぼうとしている。

 藤本監督は来季のレギュラーについて“白紙”を強調している。今年1年、ほぼ戦列から離れていた栗原も「まだまだ僕はレギュラーとは思ってないですし、来年の春からしっかり取りに行く気持ちでやりたいと思います」と、レギュラー獲りに再挑戦する気持ちでいる。長く苦しいリハビリを経て、帰ってきた栗原。来季は一回りも二回りも大きくなって、グラウンドに戻ってきてくれるはずだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)