「楽しくやるのと、楽するのは違う」 斉藤和巳1軍投手コーチの一問一答全文

ソフトバンク・斉藤和巳1軍投手コーチ【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・斉藤和巳1軍投手コーチ【写真:福谷佑介】

「マウンドで自分が一番、自分を助けるような時間の過ごし方を常日頃からやらないと」

 ソフトバンクは3日、宮崎市の生目の杜運動公園で16日間の秋季キャンプをスタートさせた。新たに入閣した斉藤和巳1軍投手コーチは首脳陣やスタッフ、投手たちと積極的にコミュニケーションを図るなど、初日から精力的に動き回った。ブルペンでは杉山一樹投手や大関友久投手と話し込む場面もあった。

 コーチとしての初日を終えた斉藤コーチの一問一答全文は以下の通り。

――久々のユニホーム姿。初日を振り返って。
「思いのほかバタバタしたな、と言う感じがしましたね」

――コミュニケーションをかなりとっていた。
「実際外から見ているのと違いますから。選手と話してみて、その選手の性格っていうのは絶対あるでしょうから。その中でどう考えているのかっていうところと、何を意識してるのかっていうところを、こっちもそういう部分で、どういう伝え方をすればいいのかなっていうのも今後、材料が欲しい部分があるんで。見る聞くっていうところを初日はしました」

――大関投手とブルペンと長く話していた。
「彼はもうしっかり課題持って、初日からブルペンに入って投げていたので、その辺りをまず聞いて。今年は左バッターに対してっていうところが数字に顕著に出てしまってるところを彼も課題として持っていた。その辺りでいろいろ話をして、質問されたところもあったんで、自分なりに答えながらいろんなことをやっていこうという話をね。あまり固定概念を持たずにいろんなことを試しながら、実戦も、この秋、練習試合で投げるかもしれないっていうところもありますし。来年2月のことを考えるといろんなことをやりながら、技術的なところのタイミングであったり、あとはバッターに対峙しながらじゃないとわからないところもあるんじゃないかっていう話をしました」

――今日1日の中から見てみて感じられたこと。
「全て。いろいろ感じましたけどね。まあ、いい部分、悪い部分という感じじゃないですけど、実際、選手とこんなに近くで、ゆっくり話すこととかコミュニケーション取ることもなかったですし。ここ数年、特にグラウンドレベルに下りて行けなかったんで、そういったところでちょっとイメージと違うなっていう選手もいましたしね。そういったところが全てはプラスになってるかなっていう感じはしますけどね」

――印象的だった選手は。
「ほぼ全員かな。みんな、基本的には明るいかなっていうね。楽しくやってる感じはありますけど、楽しくやるのと、楽するのでは大きな違いなんで、そこを履き違えないようにしないと、ただ自分の首を絞めるだけなんで。それがチームに影響して、マイナス要素が増えてしまうので、そのあたりのオンオフっていうのはしっかりしないといけないですね」

――そこが一番伝えていきたいところ。
「悔しい思いをしてるのは選手なんでね。自分に関してはこの秋からなんで、その悔しさは一緒に味わってなくて、はたから見て悔しいだろうなという感じなんで。楽するのは簡単。結局やるのは選手ですし、悔しい思い、つらい思いするのも、監督やコーチももちろんしますけど、プレーするのは選手なんで。昨日の全体ミーティングの後にもちょっと話をさせてもらいましたけど、自分で自分の首を絞めるんじゃなくて、マウンドで自分が一番、自分を助けるような、そういう時間の過ごし方を常日頃からやらないと。悔しい思いばかりしててもしょうがないと言う話をしました。それは1回話しただけで、伝わるかどうかわからないけど」

――背番号が現役時代のときから5つ増えました。
「いや慣れないですよ。もう現役の時はずっと66で、しかも偶数なんで。今回は(番号が)奇数になっている。全然慣れないです。別にコーチは背番号が顔でもないんで、そこは気にしてはいないです。別にこの背番号に慣れようとかっていう感覚もないですから。ただ、背番号が必要なだけで。この背番号しか空いてなかったんでね。選手もコーチもたくさんいるんでね」

――どういう期間にしたい。
「個人的に、というのはないですね。結局は選手のためにやっているんで、選手がオフシーズンに向けて、明確な課題をしっかり1人ひとりが持てるように、こっちもアプローチしないといけない。そういうコミュニケーションを取らないといけないですし。優勝を逃しているわけですから、ここに来てる投手は若い選手が多いですけど、この若い選手たちが下から突き上げていってくれることが投手陣にとっては大きなプラスなんで、1人でも多く、意識の高い投手陣を作れたらと思います」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)